昨日の長期金利(10年国債利回り)は 1.935% まで上昇。フラット35の金利は2%目前、民間の固定金利も3%台が見え始め、「固定金利の利上げ圧力が強まる」局面にあります。
そんな中、本日朝のメディア報道で、
「フラット35の優遇制度を借換えにも適用する方向で調整が進んでいる」
という大きなニュースが流れました。
フラット35に関しては、先日流れた「限度額の引き上げを検討している」とのニュースの続報になります。固定金利のニーズが急上昇している今、住宅ローン利用者にとってまさに“朗報”。本記事では、報道内容と政策背景、そしてFPとしての見解を分かりやすく整理します。
1.何が変わる?(速報に基づく状況整理)
報道によれば、
「これまで新規取得時に限られていたフラット35の優遇(子育て世帯向け)が、借換えにも使える方向」
で調整が進んでいるとのことです。
◆ 現行の「子育てプラス」の対象要件(参考)
今回の“借換え優遇”対象は未公表ですが、現行制度の対象は次の通りです:
- 子育て世帯(18歳未満の子がいる)
- 若年夫婦世帯(夫婦いずれかが40歳未満)
これらの対象者に
- 子ども1人(または若年夫婦)で「1ポイント」。
- ポイントごとに 5年間で0.25%の金利引下げ
- 子どもが増えるたびにポイント加算=優遇幅が広がる
という仕組みです。
👉 今回の借換え優遇も、この属性が軸になる可能性が高いと考えられます。
◆ なぜ画期的なのか
フラット35では長年、
優遇は“新規取得のみ”が原則。
借換えは対象外でした。
👉 借換えで優遇が使えるようになれば、制度思想としては“完全な政策転換”。
家計支援としてのメリットは極めて大きいといえます。
2.今回の動きが出てきた背景
① 金利上昇局面で固定金利ニーズが急増
2025年後半は固定金利が急上昇。
- フラット35:1.97%(12月)
- 民間固定:2.8~3.0%台
「固定で借りたいけれど金利が高い」状況の中、借換え優遇の検討は家計に直接効く対策です。
② 子育て支援強化(少子化対策)
現在、高市政権でも「子ども一人につき2万円給付」の案が検討されているなど、住宅・教育支援が強化されています。
例:
- 子育てグリーン住宅支援事業
- 子育てプラス(フラット35優遇)
- みらいエコ住宅2026事業
- 児童手当拡充
- 保育料軽減・高等教育支援
👉 住宅支援を“子育て世帯に集中させる政策”の一環として、借換え優遇も整合性が高い動き。
③ 固定金利の供給が民間で縮小 → フラット35の重要性が増大
特に東海エリアでは、地銀・信金で固定金利型ローンの取り扱いを取り止める動きが拡大
参考記事 https://my-home-fp.com/column/20250625/
固定金利の“選択肢が減っている”中、フラット35は固定金利の受け皿としてより重要に。
👉 借換えでも優遇が使えれば、その利便性はさらに高まります。
3.今後の焦点:優遇はどこまで拡大するのか?
現時点の報道では「子育て世帯向け」とされていますが、注目ポイントは以下の通りです:
- 対象属性は現行の「子育てプラス」と同じか
- 性能基準(フラット35S) の借換え適用は?
- 地域連携型・地方移住支援型 も対象に?
- 維持保全型 にも広がる可能性は?
対象範囲が広がるほど、住宅市場や家計への影響は大きくなります。
👉 政策としては拡大余地が大きい分野なので、今後の発表が注目点です。
4.FPとしての見解:住宅ローン戦略に与える影響は大きい
◆ 今回の報道は、金利上昇時代の“家計防衛策”として非常に意味が大きい
固定金利の上昇負担を軽減できる仕組みは、住宅・家計に直接効果を持ちます。
◆ 東海エリアでは特に重要
- 地銀・信金の固定金利撤退
- 二拠点生活や名古屋圏での地価上昇
などにより、固定希望者の選択肢が狭まっている状況。
👉 フラット35の借換え優遇は、地域の住宅購入者にとって大きな追い風になります。
◆ 制度開始は2026年4月以降と見られるが「準備は早いほど良い」
借換えは、
- 新規 lender の審査
- 現 lender での繰上完済
- 抵当権抹消・設定
- 書類準備
など意外と手続きが多く時間がかかります。
👉 金利上昇が気になる人は、いまから動き始めても決して早くありません。
フラット35優遇が使える可能性があるなら、「いつ借換えるか」が家計に大きな差を生む局面です。
5.まとめ
- フラット35の優遇を「借換えにも適用」する方向で検討
- 金利上昇が続く中で、家計支援としての効果は大きい
- 子育て支援政策の流れとも一致
- 東海地方では固定金利撤退が進み、フラット35の存在感増大
- 制度開始が先でも、借換え準備は早めが有利
- 今後は「性能S・地域型・維持保全型」など対象拡大が焦点
続報が出次第、このコラムで分かりやすく解説しますので、チェックしてお待ちください。
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家計とマイホーム相談室 草野芳史
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