住宅ローン 住宅ローンの保証料は誰のためのもの?

昨日・一昨日と住宅ローン・資金計画のご相談が4組重なりました。
その中で、保証料についてのご質問がありました。
“保証料”という言葉からは、「保証してもらえる」ということで
「安心」といったイメージがあるかもしれんが、
ご説明すると「イメージとだいぶ違った」言われることが少なくありません。
住宅ローンを借りる際、保証料と同じく外部の機関が関わるものに
「団体信用生命保険(団信)」があります。
これは、債務者に万一のこと(死亡や高度障害)が起こった時、
保険会社から保険金が支払われて、住宅ローンが完済されます。
民間の住宅ローンでは保険料は銀行が負担し、
フラット35の場合は債務者が保険料を年払いで負担します。
支払いは誰であっても、債務者にとっては安心材料には違いありません。
では保証料とは何かというと、万一住宅ローンを返せなかった時に、
保証会社が立て替えてくれるという仕組みです。
(ただし、先述の通り死亡や高度障害が原因で返済できなくなった場合は、
 団体信用生命保険の保険金が出ますので、保証会社の出番はありません)
保証料の金額は、3000万円を35年返済で借りた場合、
およそ60万円ほど。
少なくない金額ですが、保証会社を付けることで
何かあっても銀行への返済は終わりますから、そりゃ安心!
・・・なワケではありません!
保証会社はあくまで“立て替え”ているだけ。
債務者から見れば、返済先が銀行から保証会社に移るだけ。
ようは保証会社は“保証人”に過ぎず、
団信のように債務がチャラになるというものではありません。
銀行にとっては、保証会社を付けることで
貸したお金のとりっぱぐれは起こらないので“安心”。
誰のための保証かと言えば、保証料を払った債務者のためではなく、
銀行のためのものなのです。
この仕組みをご説明すると、驚かれる方が結構いらっしゃいます。
せっかく高いお金を払っても、ほとんど意味がないと思うかもしれません。
でも、そういうものと割り切るしか無いのです。
ちなみに、フラット35やネットバンクなどでは、
保証料がかからない(無料)だったりします。
ただ、保証料の代わりに事務手数料が保証料並みにかかることも
少なくありませんので、「保証料無料」という
営業トークに惑わされないようして下さい。

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