住宅ローン “住宅ローンを借り換えて、タダで太陽光発電を設置”はホントか?

住宅ローンを借り換えれば、ローンの毎月の返済額が
下がるばかりか、無料で太陽光発電を設置でき、
さらに買電収入も期待できるという話しがあります。
そんなうまい話しが本当にあるのでしょうか?
これは、太陽光発電の設置会社の営業トーク。
こういう理屈です。
 1)現在の低金利を活かして住宅ローンを借換えて、
  金利差分、住宅ローンの返済額を下げる。
 2)その差額分、住宅ローンの借入額を上乗せすることで、
  太陽光発電設置費用の原資とする
 3)実質的な費用負担無しで太陽光発電が設置でき、
  場合によれば住宅ローンの返済額も下がり、
  設置後は買電収入や光熱費の削減も期待でき、一石三鳥!
昨今の低金利を活かすので、誰も損をしない、
(当初の住宅ローンを貸している銀行は除く)
いいことづくめの話のように見えます。
が、あまり安易に飛びつくと、後で後悔する可能性があります。
注意すべきは、この話が
「住宅ローンの借換え」
「太陽光発電の設置」
の2つからなっているという点。
返済額を下げるだけなら、そう難しい話ではありません。
特に、現在の住宅ローンが固定金利タイプとか
10年固定金利タイプであればなおのこと。
ただ単に、変動金利タイプに借換えれば金利差が大きいので、
実に簡単に返済額が下がります。
でも、それは金利上昇リスクの低い、
もしくはリスクの全く無い住宅ローンから、
金利上昇リスクの高いローンに借り換えることを意味します。
10年固定タイプへの借換えであれば、変動金利タイプよりは
リスクは低くなりますが、それでも当初の優遇期間が終了し、
優遇幅が小さくなる10年後には、黙っていても金利は上がります。
さらに言えば、借換え当初の返済額を抑えるだけなら
0.45%という住宅ローンもありますが、これは2年固定。
2年後には金利が上がるので、トクするつもりが
総返済額を見たら大赤字! なんて可能性もあります。
そのため、住宅ローンを借り換える際には、
「○○○万円もおトク!」というセールストークに踊らされず、
冷静に判断する必要があります。
まずは、借り換える目的(毎月の返済額の削減、
金利上昇リスクの回避、総返済額の削減など)を明確にし、
その目的に沿い、かつ太陽光発電の設置費用も賄える住宅ローンがあれば、
「太陽光発電の設置+住宅ローンの借換え」もよいでしょう。
実際のところは、当初の住宅ローンの残高に、設置費用分を上乗せして
借換えを行うのは意外と難しく、扱う金融機関も限られます。
いたずらに借入を増やすのではなく、
現金で太陽光発電を設置し、住宅ローンの見直しは単体で行う方が、
より条件のよい住宅ローンを見つけやすいと思います。

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