住宅ローン 住宅ローン「長く借りて繰上返済」vs「初めから短く借りる」

本日、家づくりの資金計画を検討中の方にマイホーム予算診断のヒアリングをしている中で、「住宅ローンを最終的に同じ返済期間で返すなら、長く借りて繰上返済をするのと、初めから短い期間で借りるのと、どちらがよいのでしょうか」とのご質問をいただきました。このご質問もよく訊かれます。一般的に住宅ローンは最長35年返済で借りることができますが、長く借りるとそれだけ利息の負担が増えるし、返済期間を短くすると毎月の返済額が上がってしまうし・・・ やはりそれぞれメリット・デメリットがあるので、順にみていきましょう。

 

 


◆目次◆

1.住宅ローンの返済期間別の総返済額

2.長く借りて繰上返済する場合のメリット

3.長く借りて繰上返済する場合のデメリット

4.初めから短い期間で借りる場合のメリット

5.住宅ローンの返済期間を決める考え方と注意点


 


1.住宅ローンの返済期間別の総返済額


まず、イメージしやすいようにサンプルとして、3000万円を元利均等返済、金利1.2%で返済する場合を試算し、返済期間による金額の差を見てみます。

 

1)35年返済、繰り上げ返済無し

毎月の返済額 87,510円

総返済額 約3675万円(利息 約675万円)

 

2)35年返済、26年目で全額(約981万円)繰り上げ返済

毎月の返済額 87,510円

総返済額 約3615万円(利息 約615万円)

 

3)25年返済

毎月の返済額 115,798円

総返済額 約3474万円(利息 約474万円)

 

 


2.長く借りて繰上返済する場合のメリット


長期で返済することのメリットの一つは毎月の返済額が下がることで、サンプルの場合だと35年返済と25年返済の差額は月額28,000円、年額だと約34万円にも上ります。返済当初は問題なく返済できていても、例えばお子様が大きくなり学費がかかる頃には家計が厳しくなるかもしれません。返済期間を長くすることで余裕を持って返済でき、返済に対するストレスも軽減できると言えます。

 

また、返済期間を長くすることで元金の減り方も緩やかになり、年末の残高の1%の所得税・住民税が戻ってくる「住宅ローン減税」の恩恵を受けやすくなります。仮に満額受けられる場合、10年間の控除額は(ここでは消費税増税やコロナ対策による優遇策の13年間の控除は顧慮しないことにします)、35年で組んだ場合で約260万円、25年間で組んだ場合で240万円と、20万円の差となります。この差額は、借入額が増えるほど大きくなる可能性があります(所得額棟にもよりますが)。

 

もう一点、返済期間が長くなるということは完済時年齢が上がるということで、死亡リスクの上がる高齢時の保険として、住宅ローンの団体信用生命保険が活きる可能性が上がることを意味します。繰上返済をしてしまうと保険の機能も無くなってしまいますが、繰り上げ返済をする時に健康状態を加味して、敢えて繰上返済を止めるという選択肢を選ぶことも出来ます。

 

これは、長く住宅ローンを組むことで、繰り上げ返済により返済期間を調整できるということも意味します。余力があれば繰上返済で期間を短縮し、余力がなければ長期で返済をするという選択ができるのも、長く住宅ローンを組んでおくことのメリットです。

 

 


3.長く借りて繰上返済する場合のデメリット


長期で住宅ローンを組むと、短期で組むときに比べれば利息額は増えてしまいます。サンプルの例だと、繰り上げ返済をして同じ25年で返し終えたとしても利息額の差は141万円となり、住宅ローン減税の控除分を足しても差額は121万円程度となります。もし余力があり、利息負担がもったいないというなら、長期で組んでおいて積極的に繰上返済をしていくという方法もあります。

 

また、長期で借りることで金利上昇リスクも上がってしまいます。前述の団体信用生命保険の機能にも期待するのなら、金利上昇リスクを抑えるために長期の固定金利タイプを選ぶ方が安心でしょう。

 

 


4.初めから短い期間で借りる場合のメリット・デメリット


始めから短い期間で住宅ローンを借りることのメリットは、なんと言っても支払利息額が少なくなるという点です。ただし、そのデメリットとしては、先述の通り

・毎月の返済額が上がる

・住宅ローン減税が受けにくくなる

・団体信用生命保険も早く終わる

といった点が挙げられます。

 

また、長期で住宅ローンを組めば、期間を短縮するという選択肢が得られますが、短く住宅ローンを組んでしまうと、返済期間を延ばすという選択肢は得られません。

 

 


5.住宅ローンの返済期間を決める考え方と注意点


基本的に、住宅ローンは長く組んでおく方が無難だと草野は考えます。返済していて利息がもったいないと思えば、早く繰上返済すれば利息負担も減らすことができるからです。むしろ、利息負担以上のメリットがあるのではないでしょうか。

 

それでも初めから短く組んでおいた方が良いケースがあるとすれば、

・家計に余力があり、毎月の返済額が上がっても問題ない

・住宅ローン減税が受けられない、もしくは減税額が少ない

(年収や建物の要件(築年数が古い等))

・老後の保障は不要(十分な預貯金があったり、

別途保険に入っている等)

・借金が嫌い

といったところでしょうか。

 

また、長期で住宅ローンを組む場合の注意点としては、

・短期で組むときに比べてよりたくさん借り入れできるので、

借入額が課題にならないようする

・毎月の返済額が低い分、手元に残った資金を

将来の繰上返済に充てられるよう、計画的に貯蓄する

・将来の金利上昇リスクを抑えるために、

長期の固定金利での借り入れを検討する

といった点が挙げられます。

 

これらの点を踏まえて、返済期間や返済計画を決めて下さい。

 

 

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名古屋駅前の住宅専門ファイナンシャルプランナー

家計とマイホーム相談室 草野芳史

https://my-home-fp.com/

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