住宅ローン 日経平均3万円突破の住宅ローン金利への影響は?

昨日、日経平均株価が3万円の大台に乗せました。これは実に1990年8月以来30年ぶりのことで、今朝の朝刊各紙は1面で取り上げています。コロナ禍で暗い話題が多い昨今、明るい話題だと受け取る方もいるでしょうが、家づくりをお考え方は住宅ローンの金利動向への影響が気になるかもしれません。そこで本日は、いまの株価上昇と住宅ローンの金利動向について見てみたいと思います。

 


◆目次◆

1.住宅ローンの金利タイプ

2.変動金利タイプの動向

3.長期の固定金利の動向

4.期間固定金利タイプの動向

5.まとめ


 


1.住宅ローンの金利タイプ


ひと口に「住宅ローン」と言っても、その種類は大きく

1)半年ごとに金利が見直される「変動金利タイプ」

2)一定期間金利が固定され、固定期間終了後は原則として変動金利タイプになる「期間固定金利タイプ」

3) 返済期間中ずっと金利が確定している「固定金利タイプ」

の3つの金利タイプに分けられます。

 

変動金利タイプは借りる側にとっては金利の上昇リスクがある分、金利が低く設定され、逆に固定金利タイプはリスクが低い分金利は高く設定されています。これら3つの金利タイプは金利水準が違うだけでなく、それぞれ金利の決まり方も違います。そこで、各金利タイプ別に、金利の決まり方と現状、そして今後の見通しを見てみたいと思います。

 

 


2.変動金利タイプの動向


変動金利タイプの金利水準は端的に言うと景気と連動しています。バブル崩壊以降景気が悪かったため、日銀が景気刺激策の一環として低金利政策を行っていたので、このところ変動金利も0.4%前半という過去最低水準になっていました。でも、今回の株価上昇を景気回復の表れと見るなら変動金利タイプの金利水準も上昇すると言えます。ただ、今回の株価上昇は単純に景気回復とはいいがたい面があります。ごく短期的には、新型コロナウイルスの日本国内でのワクチン承認や10~12月のGDPの年率12.7%増、海外に目を向ければアメリカのトランプ前大統領の弾劾裁判の無罪判決などの好材料がありました。ただ、ワクチン接種は調達もままならず、GDPも1~3月には7.4%減になるとの民間予測も出ています。日銀の政策とも連動する短期プライムレートも今のところここ10年程動きは無く、実体経済が回復しているというよりも、経済・財政政策による資金が、株高への期待として株式に集まっていると言ってもよいでしょう。少なくともワクチン接種・コロナ禍収束の不透明さが残るうちは、景気の先行きは分かりませんので、変動金利タイプは株高に反してしばらくは大きな動きは無いでしょう。

 


3.固定金利タイプの動向


長期の固定金利タイプは端的に言うと、日本の10年モノ国債(長期金利)に連動しています。こちらはさまざま世界的な経済・社会的要因で毎月上下します。世界の投資金が株式に集まっているため、相対的に国債の価格は下落=利回りは上昇し、長期金利は0.07%程度まで上昇しています。そのため、固定金利タイプの金利は、来月以降、0.05%~0.1%程度上昇する可能性があります。ただ、実体経済が伴っていない株価上昇がこのまま続くとも考えづらいので、3月は上昇したとしても、その後は当面横ばい、もしくは微減で推移するのではないかと思われます。

 


4.期間固定金利タイプの動向


期間固定金利タイプは7年程度までの短期の期間固定と、10年程度以上の長期の期間固定とで、金利の動向は変わります。短期の期間固定金利は変動金利に近い動きをし、長期の期間固定金利は固定金利に近い動きをしますので、それぞれ前述の内容をご参照下さい。

 


5.まとめ


日経平均株価は急騰して3万円の大台を突破したという訳ではなく、昨年の11月に25000円となってから徐々に上昇してきており、この間、住宅ローンの金利動向には顕著な動きは見られませんでした。ということで、日経平均株価が30年ぶりに3万円の大台に乗るという大きなニュースが出たものの、住宅ローンの金利への影響は当面のところ長期の固定金利が多少上昇するという程度にとどまると言えるでしょう。

 

 

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