住宅ローン 「固定金利が上がったから変動金利を選ぶ」で良い?

先月の日銀の金融緩和縮小=長期金利の上限0.5%への引き上げの影響で、住宅ローンの金利が軒並み上がりました。その中で変動金利タイプは上がっていないため、いま住宅ローンを検討している方の中には「固定金利を止めて変動金利にしよう」という方もいるかもしれません。実際、草野のご相談者でも最近そういった声をお聞きしました。確かに、3000万円の借入れで金利が1.5%から0.2%上がって1.7%になった場合、35年返済(元利均等返済)だと利息負担は858万円から983万円と125万円もアップするので、気持ちは分かります。ただ、「固定金利が上がったから変動にする」前に、そもそも金利タイプをどういう意図で選んでいるのか考えてみて下さい。

 

固定金利タイプのメリットは、借入時に金利が確定するので将来的な金利上昇リスクがありません。対して変動金利タイプは固定金利に比べて通常金利が低いことがメリットです。逆に固定金利のデメリットは変動金利よりも金利が高く、変動金利は将来的には金利が上がる可能性があるのがデメリットです。一言で言えば、固定金利タイプはローリスク・ローリターン、変動金利タイプはハイリスク・ハイリターン。これは、株で例えると、安定的な配当を期待してトヨタ自動車の株を買うのか、それとも値上がりによる売却益を期待して新興企業の株を買うのか違いです。

 

住宅ローンも金融商品の一つなので、ローリスク・ハイリターンの商品などありません。固定金利を選ぶということは、通常、ハイリターン(低金利)よりもローリスクを優先するということですから、固定金利タイプの金利が上がったからと言って、変動金利タイプを選べばよいというものではありません(先ほどの例で言えば、トヨタの株を止めて新興企業の株を買うようなものです)。

 

ただ、そうはいっても金利上昇による利息負担を抑えたいというなら、例えば、固定金利タイプを基本としつつ、借入予定の一部を変動金利タイプにする「ミックス金利」という方法もあります。許容できるリスクの分を変動金利タイプにすれば、旨く行けば金利上昇リスクを抑えつつ、利息増も抑えるといういいとこどりを狙えます。なお、ミックス金利はやり方を間違えると悪いとこどりになりかねないので、詳しくはこちらの記事をご参照下さい。

 

その上で、借り入れる住宅ローンを固定金利タイプから変動金利タイプに変更するなら、金利上昇リスクに備え、当面低金利で返済額を抑えられた分を将来的な繰上返済資金として貯蓄するなどの備えをすることをお勧めします。

 

 

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