住宅ローン 土地神話は崩壊したけれど、住宅ローンの「低金利神話」は崩壊しない?

本日のマイホーム予算診断のご提出時にもお話ししましたが、住宅ローン選びの際に必ず出てくるのが「金利タイプ選び」。住宅ローンの金利タイプは大きく変動金利タイプ、全期間固定金利タイプ、固定金利期間選択タイプの3つに分かれますが、どれが良い・悪いという訳ではありません。変動金利タイプは金利が低いけれど金利上昇リスクがありますし、全期間固定金利タイプは金利上昇リスクは無いものの変動金利タイプよりも金利は高いのが一般的。ハイリスク・ハイリターンとローリスク・ローリターンのどちらを選ぶのかということです。

 

インターネット上でよく見かけるのは「変動金利タイプはバブル崩壊以降ずっと上がっていないし、今後も上がる見込みが低いから、変動金利タイプが絶対に良い」という声。もう少し丁寧な議論では、変動金利タイプがいずれ上がるにしても、ローン返済当初の利息負担が重い時に金利が低ければ元金の返済が進むとともに、固定金利タイプとの差額分を繰上返済の原資に充てることで、万一金利が上がってもトータルでは固定金利タイプより返済総額は抑えられる、との論調も見受けられます。ですが、これは本当にそうなのでしょうか?

 

金利上昇リスクは「不確定要素」ですから、絶対という答えはありません。そういう点では、上記の論調のように「金利が上がらない」可能性もありますし、「仮に金利が上がっても固定金利タイプを選んだ時よりも総額で有利になる」可能性も否定はできません。確かにバブル崩壊以降住宅ローンの金利は基本的に上がっていませんが、住宅ローンも金融商品の一つですから、ずっと金利が上がらないということはあり得ません。株式にせよ債権にせよ、例えば金などの現物や不動産にせよ、価格や利回りがずっと変わらないという金融商品はありません。変動金利タイプの金利が上がらないというのは、半ば神話のようなものです。

 

神話と言えば、バブル崩壊までの日本では「土地神話」がありました。狭い国土の日本では土地の価格は上がり続けるので、資産形成のために借金をしてでも不動産を所有するという考え方が生まれ、それがバブルにつながったと言えます。今では考えられませんが、土地と言うだけで資産価値があると思い込み、ごく普通の人が何もない原野や山を高額で買い漁っていました。その不動産バブルが弾け、いまでは購入時の何分の一の価格でも売れない「負動産」に成り下がってしまいました。日本の住宅ローンの金利が「いつどれくらい上がる」かとは断言できませんが、金融商品の一つである以上、現在の金利水準が永遠に続くとは言えないことだけは確かです。「低金利神話」に惑わされず、住宅ローンの金利にはリスク(不確定要素)があるという前提で、ご自身の家計がリスクにどれだけ強いのかを踏まえて金利タイプを選ぶことをお勧めします。

 

 

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