住宅ローン ネット銀行3行で住宅ローン変動金利に利上げの動き

「マイナス金利政策の解除」や「長短金利操作の撤廃」など、3月に発表された日銀の金融政策の変更は、日銀の黒田前総裁の行った「異次元」と言われるほどの金融緩和を正常化する第一歩です。これは最近の史上まれにみる低金利から「金利のある世界」への移行、イコール金利上昇を意味します。さすがに急激な利上げは経済に混乱をもたらすので、日銀は経済情勢を見ながら段階を踏んだ利上げを進めますが、マイナス金利政策解除は住宅ローンにおいては変動金利タイプの利上げ圧力になります。その影響としてネット銀行の3行で下記の通り5月の変動金利が利上げにつながる動きが出ました。

 

◆楽天銀行 変動金利(借入金利

4月:0.583% → 5月:0.663%(+0.08%)

 

◆住信SBIネット銀行(短期プライムレート※詳細はコチラ

4月:1.675% → 5月:1.775%(+0.1%)

 

◆イオン銀行 変動金利(店頭表示利率) ※詳細はコチラ

4月:2.370% → 5月:2.470%(+0.1%)

 

上記の利率は「借入金利」「短期プライムレート」「店頭表示利率」(赤字表記)と各行で違うので分かりにくいですが、下図の通りそれぞれ住宅ローンの金利に係る利率になります。

 

ご覧の通り、短期プライムレートをベースに変動金利の基準金利(店頭金利)が決まり、そこからさらに引き下げ幅が決まって実際の借入金利が決まります。5月の借入金利が明示されているのは楽天銀行だけで(ちなみに楽天銀行は2か月続けての利上げ)、住信SBIネット銀行は短期プライムレートが発表されただけ。住信SBIネット銀行の4月の変動金利の基準金利は2.775%、引下げ幅(通期引下げプラン、物件価格の80%以下の借入の場合)が2.477%で借入金利は0.298%でしたから、短期プライムレートの利上げとそのまま連動するなら5月の借入金利は0.398%となります。また、イオン銀行が発表したのは店頭表示利率(基準金利)が+0.1%の利上げということなので、引き下げ幅が1.99%のままなら変動金利の借入金利は4月の0.38%に対して5月は0.48%となります(新規借り入れ、物件価格の80%以内の場合)。

 

ただ、利上げはすなわち他行に対する競争力低下につながるので、住信SBI銀行もイオン銀行も基準金利が上がっても下図の通り引き下げ幅を拡大することで借入金利の利上げ幅を抑える可能性もあります(その場合、新規での借り入れは利上げの影響が少なくなるものの、既存の借入については利上げとなります)。また、このネット銀行の動きがすぐに他行に拡大したり、さらなる利上げにつながるかというと、各行の競争力低下やマーケットの混乱につながるため、そこまで急激な展開にはならないと思います。

 

とはいえ、今後金融政策の正常化が進むについて利上げされるのは既定路線と言えます。まずは以前こちらの記事で紹介したような0.3%を切るような超低金利のキャンペーン商品は縮小されていくでしょう。

 

 

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