このお盆中の8月12日、15日、18日と、日経平均株価が上昇し、一時43,000円を超えて史上最高値を更新しました。背景には円安による輸出企業の好調や、海外投資家の買い越しがあります。株式投資をしていない人でも、メディアで目にすると「景気は良くなるの?」「住宅ローン金利に影響は?」と気になる話題でしょう。そこで現在の好調な株価の推移と住宅ローンの金利について、簡単に振り返ってみたいと思います。
1.株価上昇は住宅ローン金利に直結する?
株価が上がったからといって、すぐに住宅ローンの金利が動くわけではありません。日銀は依然として慎重な金融政策を続けており、政策金利に連動する「変動金利タイプ」の住宅ローンは、短期的には大きな変化はないと見られています。
ただし、株高が景気回復につながれば、将来的に長期金利や政策金利が少しずつ上昇する可能性があります。特に注意したいのは、住宅ローンの中でも「固定金利タイプ」への影響です。
固定金利といっても、
- フラット35などの長期の固定金利タイプは、国債の利回りなど「長期金利」に左右されやすく、景気や株価の動きに比較的早く反応する
- 短期の固定金利期間選択タイプは、日銀の政策金利に近い動きをするため変動金利に近い性質
という違いがあります。
つまり、株高や景気回復の流れを受けて長期金利が上がると、フラット35などの長期固定金利タイプの方が先に上昇する可能性がある、という点に注意しておきましょう。
2.家計や暮らしへの影響
株高は企業収益や雇用を下支えするため、家計にはプラス材料です。とは言え、物価や生活費の上昇に比べて賃金の伸びが追いつかない状況もあり、わたしたちの家計ではなかなかプラスを実感できません。
住宅購入を考えている方は、「今の金利水準で無理なく返済できるか」だけではなく、「金利が上がっても家計に余裕が残せるか」を念頭に資金計画を立てましょう。
3.今後の見通しと住宅取得のヒント
今後も株価は上下を繰り返します。長期的には金利が緩やかに上がる可能性がありますが、今回の株高が直ちに住宅ローンの大幅な金利上昇につながるわけではありません。
- これから住宅を購入する方:変動金利の低さを活かしつつ、将来の金利上昇に備えて固定金利も比較検討。
- 現在住宅ローンを返済中の方:借り換えや繰上返済といった選択肢を持ち、ライフプランに合わせて柔軟に対応。
まとめ
日経平均株価の最高値更新は経済の点で明るいニュースですが、これが住宅ローンの金利に直結するわけではありません。「史上最高」というフレーズを聞いて慌てて借換えなどの行動をする必要はありませんが、金利上昇など経済・金利の環境はこれからさらに変わる可能性があるので、この株価や景気の動きをきっかけに、むしろ自分や家族の暮らしに合わせて家計や資金計画を見直す良いタイミングと捉えることをお勧めします。
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名古屋駅前の住宅専門ファイナンシャルプランナー
家計とマイホーム相談室 草野芳史
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