「そろそろリフォームの時期かな・・・」と思いつつ、実際にどのタイミングで、どんな工事をすればよいのか悩む方は多いですよね。先日も、築10年と築15年のお宅からリフォームのご相談が2件続きました。その際にわたくし草野がお話しした内容を、ここでご紹介します。
リフォーム時期の考え方
住宅は少しずつ劣化していきます。外壁や屋根、防水工事などは「まだ大丈夫」と思って先延ばしにすると、後から大きな費用につながることもあります。
車のオイル交換に例えるなら、半年ごと、もしくは走行距離5000キロごとが目安ですが、半年目で4000キロだったので、次回1年後の定期点検まで待ったら走行距離が10000キロをはるかに超えてしまったとなるとエンジンにも悪影響を与えてしまうことがあります。住宅も同じで、早めに手を打つ方が安心です。
外壁やバルコニーのメンテナンスのタイミングと注意点
外壁の劣化は「いきなり雨漏り」ではなく、
- 塗装やコーティングが劣化
- 外壁材に水がしみ込む
- 防水層が傷み雨漏り
という段階を経て進みます。
ベランダやバルコニーの防水も同様で、表面コーティングが傷んだ段階なら安価に補修可能ですが、防水層自体が傷むと大がかりな工事になります。表面の塗装が傷み始めたタイミングで補修すれば安価で済みますが、劣化が進んで外壁材そのものに問題が出ると数百万円単位の大工事になってしまいます。「早めの手当て」こそがリフォーム費用を抑え、建物を他が持ちさせる最大のポイントといえます。
リフォームはまとめてがお得
また、リフォームでは工事の「組み合わせ」も重要です。特に外壁と屋根は足場を組む必要があるため、別々に工事するとそのたびに足場代がかかり、総額は高くなります。
例えば、今回は屋根工事をしなくても、次の外壁塗り替えの時期に屋根補修を合わせられるよう、塗料のグレードを選んでおくと効率的です。いたずらに高級グレードを選ぶのではなく、「次にやる工事に合わせる」視点が大切です。
家族のライフプランとリフォーム計画
リフォームの内容を決めるときは、建物の状態だけでなく、家計や家族のライフプランも考慮しましょう。
- ご自身の年齢・健康状態
- 子どもの独立や親との同居
- 将来の住み替えの可能性
例えば、「次の大規模リフォームは70歳頃」と見込むなら、今回の工事は30年も持たせる必要はないので、「15年持てば良い」ように少しグレード・価格を押さえる、という判断も合理的です。また、数年後に大きな間取り変更を予定しているなら、今回はできるだけ軽微な工事に抑える方が無駄がありません。
築年数別 リフォーム目安一覧
参考として、築年須つのリフォームの目安を、定期的なメンテナンスが欠かせない外回りと水回りを中心に一覧にしました。
年数(目安) |
主なリフォーム内容 | 注意点・チェックポイント |
築5~10年 |
・外壁・屋根の点検
・ベランダ防水の表面補修 ・給湯器や水まわりの簡易修理 |
・外壁の塗装にツヤがなくなっていないか
・ベランダの防水にひび割れや色あせがないか |
築10~15年 |
・外壁・屋根の塗装や補修
・ベランダ防水の再施工 ・給湯器・ガスコンロなど設備交換 |
・足場を組む工事はまとめて行うとコスト削減に
・外壁の塗料グレードは「次の工事予定」に合わせて選択 |
築15~20年 |
・外壁再塗装
・屋根の葺き替えやカバー工法 ・システムキッチンや浴室の交換 |
・設備は一斉に寿命が来る時期
・水まわり工事は同時期に検討すると効率的 |
築20年以上 |
・全面的なリフォーム(間取り変更含む)
・配管や電気設備の更新 |
・家族構成やライフプランに合わせて「建替え」や「大規模リフォーム」を検討する時期 |
まとめ:リフォームは建物+家計+家族の3点で考える
リフォームのタイミングは「建物の劣化具合」だけでなく、
- 建物の状況
- 家計の状況
- 家族のライフプラン
この3つを現在と将来の両面から考えて決めることが大切です。
「そろそろリフォームかな?」と思ったら、まずはご自身の家の現状をチェックしてみましょう。そして、リフォームの優先順位や時期を整理することで、将来の大きな出費を防ぎ、安心して暮らせる住まいにつながります。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
マイホーム購入前に、中立な第三者にご相談を!
名古屋駅前の住宅専門ファイナンシャルプランナー
家計とマイホーム相談室 草野芳史
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□