家計 日本人とアメリカ人の住宅ローン選びに見る、投資の考え方

昨日は3組の方からマイホーム予算診断のご相談がありました。1組目はこれから家を建てる方で、診断のためのヒアリングをしました。2組目は現在家づくりが進行中で、以前マイホーム予算診断を作成していましたが、予算や資金計画の変更に合わせて診断も修正しました。3組目は、すでに返済中の住宅ローンの見直しに合わせて家計をチェックするということで、その結果をご提出しました。人生におけるいろいろな場面で、マイホーム予算診断は家計の指針になるという訳です。

 

例えば、家づくり以外で最近お問合せが多いのが、投資・運用について。家づくりのサポートをしたお客様が、新居での生活も落ち着いたので、投資運用について検討したいというケースです。投資というと、日本人には苦手という方が少なくありません。というか、投資はギャンブルのように“アウトロー”的なイメージさえあるかもしれません。ただ、最近は、ちょうど1年前の“年金2000万円問題”などの影響で、「老後資金を貯めるためには、若いうちから投資運用を始めた方が良い」という声も聞くようになりましたし(実は、金融庁の狙い通りになっています)、コロナの影響からか証券口座の開設件数も増えています。草野へのご相談も増えている通り、日本人にとっても投資運用が当たり前のものになりつつあります。

 

草野自身もファイナンシャルプランナーとして最低限の知識は必要なので、投資の塾に通って勉強しています。そこでもよくわかったのですが、投資運用に付きまとうギャンブル的なイメージはあくまで“投機”のことであり、それは投資とは全く別物ということ。相場の流れを読み、短期的な利益を目的として売買すれば、それはギャンブルの要素が濃くなります。それに対して投資とはしっかり根拠をもって、たとえば投資先の業績だけでなく、経営者の姿勢や将来への取り組みなどの企業研究をしっかりし、その企業を応援する姿勢で行うものです。なので、“投機”だと、目先の利益、つまり損得ばかりに目が行ってしまい、株価が下がればいつ損切りするかといったことばかり気になってしまいますが、しっかり調べて応援する姿勢で投資すれば、目先の株価など気にならなくなり、むしろ株価が下がった時が株を買い足す絶好の機会になる訳です。思った通り本当に素晴らしい企業であれば、いずれ株価も上がりますので、そこで十分な利益も得られるという訳です。

 

こういった「投資」というものを理解し実践している人は、お金に対する考え方も違います。例えば、マイホームを買う時の住宅ローンの組み方ですが、多くの日本人は変動金利タイプを選びますが、草野が投資を教わっている先生は、固定金利タイプを選ぶとのこと。固定金利といっても今月のフラット35の金利は1.23%、一定の品質を満たした建物への優遇が使えるフラット35Sなら当初10年間が0.98%。変動金利の0.5%程度に比べれば高いとはいえ、わずか10年前のフラット35が3%程度で、同じ頃の変動金利は1%程度でしたから、長期的な視野に立てばいまの固定金利は高くありません。さらに、投資運用できる人なら、手元資金で年利7~8%とかそれ以上の利回りを稼ぎ出すことも決して無茶な話ではありません。つまり、生活の基盤となる家に対するローンは固定金利でリスクをゼロにし、余力のある資金で多少のリスクを取って(といってもあくまでギャンブルとは違います)リターンを得るという発想をしています。この考え方はアメリカ人的な発想です。意外に思う人も多いかもしれませんが、ギャンブル好きな(ちょっと偏見かもしれませんが!?)アメリカ人は、住宅ローンは圧倒的に固定金利タイプを選んでいるのです。堅実なイメージのある日本人とは全く逆ですが、どちらが堅実と言えるのでしょうか?

 

住宅ローンや投資のついては、いろいろな考え方があります。まったく投資はやらないという考え方も当然あり得ますが、まずは投資とは何なのかを知ったうえで投資はしないと判断しても良いと思います。

 

 

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名古屋駅前の住宅専門ファイナンシャルプランナー

家計とマイホーム相談室 草野芳史

https://my-home-fp.com/

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