早いもので明日から8月ですね! 梅雨が明けていないせいか、また、津島市では小中学校の夏休みが8月8日から23日の16日間と例年になく短く子ども達はいまだにいつも通り学校に通っているので、草野は夏が来たという気がしません。今年の7月は台風が来なかったそうで、これも記録的なことなのだそう。コロナだけでなく、季節もちょっとヘンですね。それでもしっかり8月がやってきます。
本日のご相談者は、9月中にハウスメーカーと契約をしたいとお考え。昨秋実施された、消費税増税による住宅ローン減税の控除期間13年間の特例を受けるためです。本来は今年中に入居しなければいけなかったのが、新型コロナウイルスの影響で遅れた場合は20201年中の入居でも特例の対象になったからです。この特例を使いたい方にとっては、この2か月間がハウスメーカーとの商談も大詰めですね。
ただ、このご相談者にもお伝えしたのですが、控除期間が10年から13年に延びて、どれだけ減税効果があるのかは検証した方が良いです。人によって減税額は違うので、思ったほど効果が出なければ、またハウスメーカーとの商談や比較検討が十分でなければ、敢えて契約時期を遅らせるのも一つの考え方です。すでにこれまで時間を十分にかけてハウスメーカーと打合せを行い、比較検討をしてきたなら良いのですが、そうではないのに慌てて契約してしまうと、契約後に予算がアップするなどのトラブルにつながる可能性があるからです。そこで、この特例の効果がどれくらいでるのか、住宅ローン減税の控除額の計算方法をご説明しましょう。
控除期間中、毎年下記3つを計算します。そのうち一番低い額が1年間の控除額となります。
1)納税額
1年間に納めている所得税(全額)と住民税(上限13.65万円)の合計です。
2)ローン残高
毎年12月31日現在の住宅ローン残高の1%です。
3)最大控除額
1年間で控除できる最大の金額です。一般住宅の場合、1~10年は40万円、11年~13年は40万円、もしくは建物購入金額(税抜)の2%を3で割った額の低い方となります。長期優良住宅は、上記40万円のところが50万となります。
ちなみに、11~13年の最大控除が建物価格の2%割る3というのは、消費税が増税された2%分を、3年に分けて還元するということです。この3年分の控除額がいくらかによって、消費税増税による負担軽減策であるの控除期間13年の特例を使った方がよいのか、通常通りの10年間の控除でよいのかが判断できます。
例えば、実例としてはこんな感じです。
【実例1】
・土地は1500万円
・建物工事金額は3000万円。その2%(消費増税分)は60万円
・ローンの借入額は4500万円(金利1.2%、35年、元利均等返済)
・所得税・住民税の合計は年間50万円
上記で試算すると、ローン残高の概算は
11年末 約3270万円 →残高の1%:32.7万円
12年末 約3150万円 →残高の1%:31.5万円
13年末 約3030万円 →残高の1%:30.3万円
となります。
すると、消費増税分の60万円を3で割った額(20万円)が一番低いので、この3年間は毎年20万円の控除で計60万円の減税効果があるということになります。
【実例2】
・土地は所有済み
・建物工事金額は2000万円。その2%(消費増税分)は40万円
・ローンの借入額は2000万円(金利1.2%、35年、元利均等返済)
・所得税・住民税の合計は年間10万円
上記で試算すると、ローン残高の概算は
11年末 約1450万円 →残高の1%:14.5万円
12年末 約1400万円 →残高の1%:14.0万円
13年末 約1340万円 →残高の1%:13.4万円
となります。
すると、所得税・住民税の合計額(年間10万円)が一番低いので、この3年間は毎年10万円の控除で計30万円の減税効果があるということになります。
60万円でも30万円でも、少なくない金額が戻ってはきます。とはいえ、慌てて契約することで仕様を確認しきれず後からオプションの追加で金額が上がったり、足元を見られて十分な値引き交渉が出来なかったということも起こりかねません。そんなことも踏まえて、9月中に注文住宅の工事請負契約を締結するのかどうかを検討して下さい。
なお、建売住宅や中古住宅、マンションなどの完成物件の売買契約の場合は、住宅ローン減税の控除期間13年の特例となる契約期限は今年の11月末までとなります。詳しくは、5月3日付の当コラムの「新型コロナウイルスの影響による住宅ローン減税の特例措置の詳細が公表」をご参照下さい。
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名古屋駅前の住宅専門ファイナンシャルプランナー
家計とマイホーム相談室 草野芳史
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