先日、戸建て住宅の屋根に後付けで太陽光発電を設置する際の注意点についてご質問を頂いたので、こちらでもご紹介します。
売電価格が高かったり設置補助金が潤沢にあった頃に比べれば太陽光発電のブームは落ち着いてきたように思いますが、当時に比べて太陽光発電の設置費用も格段に下がってきて、もはやごく当たり前の存在になっています。特に最近は蓄電池の価格も下がってきており、太陽光発電と蓄電池を後付けで設置しようという人もこれからどんどん増えてくるでしょう。ただ、新築時に設置するのと違い、後付けで太陽光発電を設けるには、いろいろな留意点があります。以下、順番に見ていきます。
1)雨漏りのリスクがある
施工のやり方や品質にもよりますが、わざわざ出来上がっている屋根の上に太陽光発電パネルを後付けするわけですから、屋根からの雨漏りのリスクが増えます。
2)新築時の保証が終わる
屋根に太陽光発電パネルを後付けした時点で、新築時に建築した住宅会社の保証は終わってしまいます。万一太陽光発電設置後に雨漏りがあった場合の保証を、太陽光発電の設置会社によく確認しましょう。
3)構造的に問題ないか
屋根の上に新たに太陽光発電パネルを載せるわけですから、当然荷重がかかります。構造的にその荷重を想定しないとすると、耐震性などに影響が出ることがあります。新築時に建築した住宅会社に屋根の荷重について確認しましょう。
4)屋根形状が太陽光発電に向いているか
できるだけ発電効率を上げるには、南側への片流れなど太陽光が当たりやすい屋根形状や角度が良い訳ですが、そういった点に配慮されていない屋根形状だと、お金をかけた割には発電量が少ないという事態も起こります。発電量のシミュレーションをちゃんと確認しましょう。
5)太陽光発電設置業者とのトラブル
太陽光発電の設置業者は、ブームに便乗して新規参入した会社も少なくありません。そういった会社は施工が雑だったり、設置後のトラブルに対応しなかったり、そもそも会社が無くなるということさえ珍しくありません。(住宅会社でもそういったトラブルは無くはありませんが、少なくとも住宅会社には新築後10年間の保証義務が法的にあり、そのための保険制度も整備されています)
といったところです。売電による家計的なメリットもありますが、太陽光発電を後付けする際には、新築時に設置するよりも配慮が必要なので、ご注意下さい。
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名古屋駅前の住宅専門ファイナンシャルプランナー
家計とマイホーム相談室 草野芳史
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