このところ、建築関係者ご自身の住宅ローンのご相談が続き、建築業界関係者が住宅ローンを組むときの注意点をお話ししました。エッ、建築関係者だと注意点があるの?と思う方もいるかもしれません。建築関係者だからといっても営業マンだとか現場監督だとか、あまり影響のない方も多いのですが、中には注意すべき方もいます。それは、工務店の社長さんだとか、個人事業で建築業をしている方です。工務店の社長の自宅なら、当然自社で建てたいと思うでしょう。この場合、銀行がNGを出すことがあるのです。
なぜか。工務店であれば、建築費用の内訳はいくらでも調整できます。例えば、通常よりも利益を大幅に上乗せするなんてことも。社長や工務店からすれば、いくら建築費用を上げても、自社の売り上げが上がり、その分役員報酬として社長に還元すればよいので、大きな問題ではないでしょう。
ただ、銀行はそのようには見ません。適正な額からかけ離れた建築費用は、不正な住宅ローンの利用と映るのです。場合によれば、そのようにして調達した資金を事業資金に流用することもあり得る訳です。実際にそのような不正はしなくても、その恐れがあるため、工務店の社長が自宅を自社で建てる場合の住宅ローンの融資は、銀行が慎重になるという訳です。
また、大工さんなどの個人事業の職人さんも同様で、自分が元請けとなって自宅一軒を建築することもできますが、住宅ローンは難しいので、その場合は知合いの建築会社に元請けとなってもらい、部分手に自分が下請けとして関わるという形をとる必要があるでしょう。
実際のところは銀行の判断によるので、メインバンク等で付き合いが深ければ事情もよく分かっているので、社長の自宅を自社で建築する場合でも住宅ローンを融資してくれる可能性もあります。もともと経営者や個人事業主の場合、一般的な会社員や公務員よりも住宅ローンの審査は厳しくなる傾向があるので、まずはメインバンクに相談してみるのが定石と言えるでしょう。
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名古屋駅前の住宅専門ファイナンシャルプランナー
家計とマイホーム相談室 草野芳史
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