銀行と住宅ローンの話しをしていると、
いくつかの「金利」が出てきます。
先日ご紹介した、「変動金利タイプ」「固定金利期間選択タイプ」
「固定金利タイプ」といった“金利タイプ”以外にも、
貸出す金利(利率)にまつわる呼び方があります。
まず、住宅ローンの基準となる金利として、
「店頭表示金利」があります。
いわゆる“定価”ですね。
その上で、期間限定のキャンペーンとして、
一定の条件をクリアした場合に適用される
「優遇金利」があります。
定価に対する“割引価格”と言えます。
“金利プラン”とも呼んだりしますが、
一定の条件というのは、
・給与振込指定
・公共料金引き落とし
・クレジットカード
・インターネットバンキング
・貸金庫
・年収○万円以上
といったもので、上記に挙げた全てではなく
いくつかの項目を満たしていればクリアできるので、
ハードルはさほど高いものではありません。
また、大手のメガバンク・信託銀行などでは、
優遇金利が「変動タイプ 0.875%~1.075%」などと
“幅”を持って記載されている場合があります
この幅は何なのかというと、借入する方の“属性”によって、
適用される金利に幅があるということ。
例えば、
・一部上場企業の社員
・公務員
・医師、弁護士
といった安定して高収入が見込める職業の方は、銀行から見れば
返済が滞る可能性が低い、いわゆる“上顧客”になります。
そのような上顧客だと0.875%、
そうでなければ1.075%と、金利に色がつくというワケです。
では、優遇金利に“幅”が無い場合はどうなるのか?
そんな場合、交渉次第で“ウラ金利”が出てくることがあります。
前述の通り、銀行は審査の際に借り入れる方の属性を見て、
金利を下げたりするのです。その結果
「優遇金利>実行金利」ということが起こります。
例えば、10年固定を例にすると、
店頭表示金利 3.1%
優遇金利 1.4%
実行金利 1.2%
といった数字になります。
この“ウラ金利”は、インターネットや店頭など、
あまり表には出てこないもの。
表に出してしまうと、どのような属性の人からも
「もっと優遇してくれ」と言われかねないからです。
また、銀行も商売。無闇やたらと優遇するのではなく、
相手の顔色を見ながら金利を下げるというワケです。
ですので、実行金利というのは、上記の職業の方でなくとも、
交渉次第で下げられることがあります。
つまり「優遇金利=実行金利」では無いのです。
銀行の“言い値”で住宅ローンを借りることはありません。
「店頭表示金利」「優遇金利」「実行金利」の区別を理解し、
銀行と上手に交渉してみて下さい。
住宅ローン 店頭金利・優遇金利・実行金利
代表プロフィール
草野芳史(くさのよしふみ)
資格・役職等
CFP
住宅ローンアドバイザー
宅地建物取引士
公認ホームインスペクター(NPO法人日本ホームインスペクターズ協会)
(一社)マンション管理相談センター理事
金城学院大学非常勤講師
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