住宅ローンを借りようとする時、
「いくら借りられるの?」
という点が気になることと思います。
その目安が“返済負担率(返済比率)”。
これは、住宅ローンの年間返済額が
年収に対してどれくらいの割合かというものです。
例えば、毎月の返済額が10万円、年収が500万円の場合は、
年間返済額は10万円×12ヶ月=120万になるので、
返済負担率は24%ということになります。
この返済負担率、何%までなら銀行はお金を貸してくれるのしょう。
一般的には、返済負担率は年収によって変わることが多く、
例えば年収300万円までで25%、年収400万円までで30%、
年収400万円以上なら35%などとなります。
先ほどの例では年収500万円なので、返済負担率の上限は35%、
つまり年間の返済額の上限は175万円となり、この年間返済額に
金利と返済期間を当てはめると借入可能額が分かるというワケです。
その際、注意が必要なのが金利の利率。
実際に借入する住宅ローンの金利で審査するわけではなく、
審査用の金利で計算されます。
この金利を“審査金利”といい、銀行によって違いますが、
一般的に3.0%~4.0%程度に設定されています。
先ほどのケースを審査金利3.5%、30年返済で審査すると、
借入可能額は3200万円程度となります。
もし、1.0%の変動金利で借りるから
1.0%で返済負担率を計算すると、どうなるか?
なんと4500万円まで借りてしまえることになります!
でも、4500万円で申込んでも審査は通りません・・・
なぜ銀行は審査金利で計算するのか?
それは、変動金利タイプや固定金利期間選択タイプの場合、
将来金利が上昇しても返済してもらえるかを見るからなのです。
(ということは、金利が将来4%程度まで上がる可能性があると
銀行が考えていると言ってもよいでしょう)
なので、金利上昇リスクのないフラット35は、
審査は申込み時点の実行金利で行われます。
目一杯住宅ローンを借りることはお勧めしませんが、
それでも自分が借りられ金額を知っておいても損はありません。
その際は、審査金利で返済負担率を計算してみて下さい。
住宅ローン 審査の前に知っておきたい“返済負担率”と“審査金利”
代表プロフィール
草野芳史(くさのよしふみ)
資格・役職等
CFP
住宅ローンアドバイザー
宅地建物取引士
公認ホームインスペクター(NPO法人日本ホームインスペクターズ協会)
(一社)マンション管理相談センター理事
金城学院大学非常勤講師
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