報道各社によると、昨日、自民・公明の与党が
平成26年4月1日に予定している消費税増税に合わせて行う
住宅取得者向けの現金給付制度に合意したとの発表がありました。
もともと住宅取得者向けの優遇措置は、住宅ローン控除を
軸に行われる予定ですが、住宅ローン控除は高額所得者に
有利になりやすいため、消費税増税の影響を受けやすい
中低所得者への恩恵が少ないと言われていました。
そこで、中低所得者の負担軽減効果を高めるため、
住宅ローン控除を補完する今回の措置が決定されました。
報道によると、給付制度の内容は以下の通り。
年収が510万円以下の人が住宅ローンを組んで住宅を取得した場合、
下記のように年収に応じて一定の金額が給付されます。
◆消費税率8%(2014年4月~2015年9月の予定)
・年収425万円以下 30万円
・年収425万円超~475万円 20万円
・年収475万円超~510万円 10万円
そして、消費税が8%から10%になると、
対象となる年収と給付額も引き上げられます。
◆消費税率10%(2015年10月~2017年12月の予定)
・年収450万円以下 50万円
・年収450万円超~525万円 40万円
・年収525万円超~600万円 30万円
・年収600万円超~675万円 20万円
・年収675万円超~775万円 10万円
この現金給付は、以前は、ローン残高1%のうち、
控除しきれない所得税・住民税の納税額との
差額分を現金で給付する方向で検討中でした。
が、ローン残高や納税額とは関係なく年収で給付額が決まるうえ、
次のように、住宅ローンを組んでいなくても年齢が50歳以上で
年収が650万円以下の人が省エネ性などに優れた住宅を取得した場合は、
下記の通り現金給付が受けられることになっています。
◆消費税率 8%時 10万円~30万円
◆消費税率10%時 10万円~50万円
これは主に退職金で住宅を取得する中高年齢層を想定しています。
この現金給付で、消費税増税分と住宅ローン控除の差額は
どれくらいになるかというと、年収500万円の会社員の場合、
消費税8%時でほぼ増減無し、消費税10%時で20万円の増加となります。
(設定条件:専業主婦の妻、中学生以下の子ども2人の4人家族、
総額4000万円・建物が2500万円、借入額3500万円で35年返済
日経新聞社の試算)
自民党の野田税制調査会長が記者会見で言ったように
「低所得者のための措置ではなく、駆け込み需要増と
反動を反動減をいかに抑えるかを軸に考えた」(日経新聞より)
という狙いで制度設計されています。
これらの優遇措置の詳細はこれから検討されますが、
こと消費税に関して言えば、増税前・増税後のどちらに
家づくりをした方がトクかがおおよそ掴めるようになりました
条件によっては増税後に入居する方がトクするケースもありますので、
増税前・増税後のどちらに建てようかと迷っている方だけでなく、
家づくりが進行中の方もシミュレーションしてみたらいかがでしょう。
資金計画 消費税増税後の現金給付制度を与党が合意
代表プロフィール
草野芳史(くさのよしふみ)
資格・役職等
CFP
住宅ローンアドバイザー
宅地建物取引士
公認ホームインスペクター(NPO法人日本ホームインスペクターズ協会)
(一社)マンション管理相談センター理事
金城学院大学非常勤講師
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