住宅ローン マイホームと投資用不動産を両方購入するときの注意点

昨日が家計とマイホーム相談室の仕事始めで、2件のご相談をお受けしました。その中で、マイホームの購入と合わせて、資産運用の一環としてアパートやマンションなどの投資用不動産(収益不動産)の購入も検討したいとのお話しがありました。でも、同じ不動産・住宅と言っても、自分で住むマイホームと人に貸す投資用不動産では、考え方も資金繰りも大きく変わります。

 

例えば、マイホームであれば自分で暮らすための住宅なので、立地、間取り、設備、デザインなど、全て自分たち家族の希望や条件に合わせることになります。一方投資用のアパートやマンションは、一番重要なのは「利回り」。そのためにはいかに間取りやデザインを凝るかよりも、いかにコストを抑えるかが重要になります。つまり、「理想のマイホーム」と「儲かる投資用アパート・マンション」は全く別物という訳です。

 

また、資金繰りも全く変わります。たいていはローンを利用することになりますが、マイホームであれば住宅ローン、投資用不動産であればアパートローンになり、審査の内容も全く変わります。このローンに関して一つ注意したいのが、マイホームと投資用不動産を購入する順番です。この順番を間違えると、住宅ローンを借りることができず、マイホーム購入を断念しなければならなくなることがあり得るのです。

 

住宅ローンの審査の際、銀行はいろいろな項目をチェックしますが、大きな要素となるのが、年収(所得)と借入額です。これを表す数値としては「返済比率」という、年間の所得に対するローンの返済額の割合です。所得には給与などが該当し、夫婦二人で借入するなら合算も可能です。同様に、年間の返済額についても、住宅ローン以外に借り入れがあると、その返済額も合算されます。例えば、住宅ローンの返済額が毎月7万円、ほかに車のローンが毎月3万円あれば月10万円、年間の返済額は10万円として計算されます。

 

では、投資用のアパートローンがある場合はどうなるのか。例えば、返済は住宅ローンが月7万、アパートローンが月5万円なら、合算して月12万円、年間144万円となります。仮に審査基準の返済比率が35%までであれば、年収411万円程度必要となります。それに対して、収入については、会社員であれば給与などが計上されますが、実は投資用の不動産から得られる賃料収入は合算できないのが一般的なのです。給与所得は安定した収入とみなされるのに対し、賃料収入は空室になったらゼロになるということで、安定収入とみなされないからです。これは一時期はやった売電用の太陽光発電なども同様です。つまり、住宅ローンの審査において、投資用の不動産から得られる賃料収入は対象にならないのに、投資用不動産にかかる借り入れは合算されてしまうのです。そのため、住宅ローンを借りることはできても借入額が大きく下がってしまう可能性があります。

 

ワンルームマンションなど投資用不動産の営業マンは、「不動産を所有していると与信が上がって、住宅ローンも借りやすくなりますよ」などと言うことがありますが、そもそも住宅ローンの審査においては購入予定の不動産以外の不動産についてはそれほど評価されません。むしろ、少なくない借入額が返済比率に上乗せされるデメリットの方が大きいと言わざるを得ません。

 

以上の点から、マイホームと投資用不動産の購入を検討するなら、まずマイホーム購入を先にするか、投資用不動産は現金で買う、もしくは借入額の低い物件を選ぶのをお勧めします。もしすでにアパートローンを借りて投資用不動産を所有している場合は、【1】そのアパートローンも合算して借りれる範囲の住宅ローンを借りる 【2】賃料収入も所得として合算してくれたり、投資用不動産を評価してくれる銀行を探す 【3】投資用不動産は売却するなどアパートローンを完済してしまう などが必要となります。

 

 

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名古屋駅前の住宅専門ファイナンシャルプランナー

家計とマイホーム相談室 草野芳史

https://my-home-fp.com/

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