税金・制度 【速報】みらいエコ住宅2026事業が閣議決定! 過去制度との違いと今後の見通し

2025年11月28日、国交省・環境省・経産省の3省連携で「みらいエコ住宅2026事業(Me住宅2026)」が閣議決定されました。現在実施中の「住宅省エネ2025キャンペーン」の「子育てグリーン住宅支援事業」では、新築向けGX(グリーントランスフォーメーション)志向型住宅向けの補助が早々に予算枠を使い切るなど、人気ぶりが際立っていました。

今回の新制度は、その流れを引き継ぎつつ、GX志向型住宅や長期優良住宅への支援をさらに強化する内容となっています。本記事では速報版として、現時点で分かっている概要と背景、過去の制度との違い、そして今後のスケジュール見通しを整理します。

 


概要(対象住宅・補助額・要件)


今回の「みらいエコ住宅2026事業」は、これまでの住宅省エネ2025キャンペーン(窓リノベ/給湯省エネ/省エネリフォーム等)を発展させた次年度版の制度です。今回公表された3省共同の補正予算資料によると、補助額は以下のとおりとなっています。

 

  • 新築(注文住宅・分譲住宅・賃貸住宅)

対象世帯 対象住宅 補助額

(通常)

補助額

(1~4地域)

すべての世帯 GX志向型住宅(断熱等級6以上、

一次エネルギー削減35%以上)

110万円/戸 125万円/戸
子育て世帯・

若者夫婦世帯

長期優良住宅 75万円/戸 80万円/戸
子育て世帯・

若者夫婦世帯

※古家除却を伴う場合 95万円/戸 100万円/戸
子育て世帯・

若者夫婦世帯

ZEH水準住宅 35万円/戸 40万円/戸
子育て世帯・

若者夫婦世帯

※古家除却を伴う場合 55万円/戸 60万円/戸

※対象床面積は50〜240㎡
※災害リスク区域や適正化計画に基づく勧告不履行物件などには制限あり

 

 

  • 既存住宅のリフォーム(断熱・窓・給湯器等)

対象住宅(築年) 改修目標(性能) 補助上限
平成4年基準を満たさない住宅 平成28年基準相当 上限100万円/戸
平成4年基準を満たさない住宅 平成11年基準相当 上限50万円/戸
平成11年基準を満たさない住宅 平成28年基準相当 上限80万円/戸
平成11年基準を満たさない住宅 平成11年基準相当 上限40万円/戸

▶ 必須工事:窓・外壁・屋根/天井・床の断熱改修、高効率設備の導入
▶ 連携事業(先進的窓リノベ、給湯省エネ等)ともワンストップ予定

 

方向性はこれまで同様、省エネ・ZEH・長期優良住宅の普及を後押しするものですが、対象性能の“底上げ”が大きなポイントです。詳細な要件は2026年1~2月に発表され、申請は春以降のスタートとなる見込みです。

 


2025と2026のGX志向型住宅の共通点と違い


GX志向型住宅は、2025キャンペーンでも「最上位クラスの高性能住宅」として位置づけられていました。2026年度もその位置づけ自体は変わりません。

 

▼ 共通点(2024補正 → 2025補正)

  • すべての世帯が対象
  • 断熱等級6以上
  • 一次エネルギー消費35%以上削減(再エネ除く)
  • ZEHより高い水準の省エネ性能

つまり、「GX志向型住宅」というカテゴリーは継続しています。

 

▼ 2026年度での変更点

国の資料の比較から見える主な変更点は次の通りです。

  • HEMS等のエネルギーマネジメント設備の導入が追加
  • 建築事業者のGX促進への協力(表明等)が新要件で追加

これにより、住宅自体の性能だけでなく、家全体のエネルギー管理や施工事業者の取り組みも含めた“実効性のあるGX住宅”へと進化しています。

 

▼ 補助額について(シンプルな説明に整理)

  • 2024補正(子育てグリーン住宅支援事業):最大160万円/戸
  • 2025補正(みらいエコ住宅2026):110~125万円/戸

地域によって110~125万円と補助額に差をつけています。160万円とを比較すると減額のように見えますが、「高性能住宅の後押し」という方向性は変わっていない点は重要です。

 


今後のスケジュール(2025→2026の見通し)と注意ポイント


現時点で確定しているのは「骨子のみ」です。詳細は2026年1~2月に公表される見込みですが、過去制度の動きを踏まえると、次のスケジュールが想定されます。

  • 2025年11月28日 補正予算案の閣議決定(現段階)
  • 2025年12月~2026年1月 国会審議 → 成立
  • 2026年1~2月 詳細発表・事務局サイトオープン
  • 2026年2~3月 住宅会社・リフォーム事業者の登録開始
  • 2026年春頃~ 申請受付スタート

 

ただ、注意すべきポイントとしては、下記が挙げられます。

  • 補助金は先着順となる可能性が高く、早期終了リスクあり
  • リフォーム系(窓・断熱・給湯器)は予算消化が早い傾向
  • 新築は「基礎着工日」が対象判定の基準になることが多い

 

要件が確定する前に契約・着工すると、補助対象外となる可能性があります。先走って契約してしまうと、「条件が変わり対象外になった」というトラブルが起きかねません。要件や時期が合わずに補助をもらえないことの無いよう、上記スケジュールを参考に建物の性能・仕様の決定や着工時期をどうするかを住宅会社と相談することをお勧めします。

 


FPとしてのひとこと


GX志向型住宅では最大125万円(1~4地域)と少なくない補助が受けられますが、「補助がもらえる・もらえない」で損得を判断するのは危険です。

  • 光熱費の削減
  • 家の性能向上
  • 将来の資産価値の維持
  • 省エネ基準の強化トレンド
  • 子育て世帯の負担軽減

など、長期的な視点で検討することが大切です。そのためにはライフプラン(キャッシュフロー表)を作成し、家計全体を把握しながら判断することをおすすめします。

 


気になる一問一答(FAQ)


Q1. 今すぐ使える制度ですか?
→ まだ骨子段階です。詳細は2026年1~2月の予算成立後に確定します。

Q2. 子育て世帯の要件は?
→ 正式決定前ですが、これまでの制度と同様に「18歳未満の子の有無」「若者夫婦」が対象とされる可能性が高いです。

Q3. リフォームも対象?
→ はい。窓・断熱・給湯器などの省エネリフォームへの補助は継続されます。

 


まとめ


  • 「住宅省エネ2025キャンペーン」の延長・高度化版が「みらいエコ住宅2026」
  • 新築・リフォームともに性能向上が求められる流れは継続
  • 2026年1~2月の正式発表までは、“補助金ありき”の契約は避ける
  • スケジュールを住宅会社と共有し、計画的に進める
  • 判断はライフプラン(キャッシュフロー表)で総合的に行うことが重要

 


関連リンク


【外部サイト】

国交省のサイト

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000310.html

環境省のサイト

https://www.env.go.jp/earth/earth/ondanka/building_insulation/GX-house_00003.html

住宅省エネ2025キャンペーン

https://jutaku-shoene2025.mlit.go.jp/

 

【当コラム過去記事】

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国の省エネ住宅ポータルサイト「住宅省エネ2024キャンペーン」(2024.1.21)

 

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