3月17日に国土交通省から、2026年の公示地価が発表されました。このところ全国では住宅地の上昇が続いており、私草野のご相談者でも、地価の上昇を受けて「予算をいくらにすべきか」と悩まれる方が増えています。
ただし、中身を見ると「どこでも上がる」という状況ではありません。ここ数年続いている立地による二極化は、今回も変わらず続いています。本記事では、公示地価の基本から、全国・東海エリアの動向、そして住宅購入への影響を整理します。
1.ポイント|地価は上がっているが、「どこが上がるか」がより重要な時代へ
2026年の公示地価は、全国平均で住宅地が上昇し、全体としては回復基調が続いています。
しかし実態は
👉 一律上昇ではなく、二極化の継続
です。
・都市部と地方
・同じ都市でも人気エリアとそれ以外
こうした差は、むしろ鮮明になっています。
そのため、これからの住宅購入では
👉 「相場」ではなく「立地の見極め」
がこれまで以上に重要になります。
2.公示地価とは? まずは基本を押さえる
公示地価とは、国土交通省が毎年発表する、1月1日時点の標準的な土地価格です。土地取引の目安や、不動産評価、税制などの基準となる、いわば「土地価格の基準値」です。
似た指標として
・路線価(相続税)
・基準地価(都道府県)
がありますが、公示地価はその中でも全国的な基準として使われます。
住宅購入者にとっては
👉 「今の土地の相場観を知る材料の一つ」
として捉えるのが現実的です。
3.全国の動向|住宅地は上昇継続、ただし勢いは横ばい
2026年の公示地価では
・住宅地:前年比+2.1%
・全用途:+2.8%
と、いずれも上昇が続きました。(出典:国土交通省 2026年地価公示)
ただし住宅地については前年と同じ伸びであり、
👉 上昇は続いているが、さらに加速したわけではない
という状況です。
一方で商業地は上昇幅が拡大しており、地価全体としては、住宅よりも商業・投資系が牽引している構図も見えてきます。
4.今回の本質|「二極化の継続」という事実
今回の公示地価で最も重要なのは、
👉 二極化の流れに変化がないこと
です。
これは今回新たに起きた現象ではなく、ここ数年続いている流れがそのまま継続しているということです。
具体的には
・都会は上昇、地方は弱含み
・地方でも都市部は上昇、それ以外は下落
・同じ都市でも人気エリアは上昇、それ以外は伸び悩み
という構図です。
つまり、
👉 「どこでも土地が上がる時代」ではない
という前提で考える必要があります。
5.東海エリアの住宅地|「上がっている」は正しくない
東海エリアの動向を一言で表すと
👉 各県ごとに状況が異なる
よ言えます。
・愛知県:上昇継続(ただし鈍化)
・岐阜県:全体ではまだ下落
・三重県:小幅上昇
・静岡県:横ばい
同じ東海でも、ここまで違いがあります。
そのため、「東海は上がっている」という理解では、実際の住宅選びには役に立ちません。
6.名古屋・愛知の住宅地|上昇の中で進む“選別”
愛知県、特に名古屋市とその周辺では、住宅地の上昇は続いています。
ただしその中身は
👉 人気エリアに集中した上昇
です。
例えば
・名古屋都心へのアクセスが良い
・住環境が整っている
・災害リスクが比較的低い
こうした条件を満たすエリアに、需要が集まっています。
■ 人気エリアの広がり
従来から人気の高い名古屋市東部(千種区・昭和区・瑞穂区・名東区など)は、引き続き堅調です。
ただし、これらの地域はすでに価格が上昇しているため、
👉 長久手市など、名古屋市外へ人気が広がっている
のが最近の特徴です。
また愛知特有の要因として、
👉 トヨタ系企業への通勤(=三河方面への利便性)
も、エリア選択に影響しています。
■ 実際の相談現場で感じる変化
実際のご相談でも
・水害リスク
・津波リスク
・地震への強さ
といった災害リスクを重視する方が増えています。
その結果、
👉 「利便性 × 住環境 × 災害耐性」
を満たすエリアに需要が集中しやすくなっています。
そして、その条件を満たす場所ほど、地価も上昇しているという関係になります。
7.なぜ二極化が続いているのか
背景は複合的ですが、主に次の3つです。
① 建築費の上昇
建物価格の上昇により、住宅取得の総額が大きくなっています。
② 住宅ローン金利の上昇
金利上昇により、借入可能額が実質的に縮小しています。
③ 立地条件へのシビアな選別
限られた予算の中で
👉 「より確実な場所を選ぶ」
動きが強まっています。
その結果、
👉 良い場所はさらに強く
👉 それ以外は伸びにくい
という構図が続いています。
8.今後の見通し|「上がるか」ではなく「残るか」
今後の住宅地については
・上昇自体は続く可能性はある
・ただし一律ではない
という見方が現実的です。
重要なのは
👉 その土地が将来も選ばれるかどうか
です。
特にチェックしたいポイントは
・通勤利便性
・生活インフラ
・人口動向
・災害リスク
です。
9.リニアの影響はどう見るか
長期的には、リニア中央新幹線の開通は上昇要因の一つです。
ただし
・工事の遅れ
・開通時期の不透明さ
を踏まえると、
👉 現時点で直接的な価格上昇要因とまでは言いにくい
のが実情です。
将来要因としては意識しつつも、それだけで判断するのは注意が必要です。
10.住宅購入者への影響|「地価上昇=急ぐ」は危険
今回の公示地価を見て「まだ上がるなら早く買った方がいいのでは」と感じる方も多いと思います。しかし注意が必要です。
住宅購入は
👉 土地+建物+金利
の総額で決まります。
現在は
・土地は上昇
・建物も上昇
・金利も上昇
という状況です。
つまり、
👉 「買うタイミング」より「無理のない計画」
が重要になります。
11.まとめ|これからは「価格」より「耐性」
2026年の公示地価は、上昇継続という結果でした。
しかし本質は
👉 二極化が続いていること
です。
そして住宅購入において大切なのは
👉
・将来も選ばれる立地か
・家計として無理がないか
という視点です。
価格の上げ下げだけで判断するのではなく、通勤・通学、子育て、老後まで含めて、
👉 長く安心して暮らし続けられるか
という視点で、土地選びをしていきましょう。
🔗 過去の地価動向はコチラ
・【速報】名古屋圏の地価は上昇鈍化? 2025年基準地価から読み解く住宅地価格
https://my-home-fp.com/column/20250917/
・【2025年 夏版】宅地価格は上がる?下がる? 東海3県の「路線価の動き」と今後の住宅購入のヒント
https://my-home-fp.com/column/20250703/
・2025年公示地価 全国平均で4年連続上昇
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・都道府県地価発表 住宅地の全国平均が3年連続上昇
https://my-home-fp.com/column/20240918/
・路線価が全国平均で3年連続上昇
https://my-home-fp.com/column/20240702/
・全国平均で3年連続対前年比上昇 2024年公示地価
https://my-home-fp.com/column/20240327/
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名古屋駅前の住宅専門ファイナンシャルプランナー
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