いま住宅会社や不動産会社に行くと、
「いまは住宅ローン控除で最大300万円おトクですよ!」
という声をよく聞くと思います。
「そんなにトクするのなら・・・」
と家づくりを進めてみたものの、
思ったほど住宅ローン控除の恩恵を受けられなかった、
なんてことも起こり得ます。
そんなことにならないためには、住宅ローン控除の仕組みを理解し、
自分の場合はいくら控除を受けられるのかを計算する必要があります。
住宅ローンの控除額というのは、3つの金額によって決まります。
その1つ目が、納めた所得税と住民税の額。
そもそも住宅ローン控除というのは、
納めた税金(所得税と住民税)が戻ってくるという制度。
納めた以上の金額は戻りようがありません。
ですので、納めた所得税の全額と住民税の一部
(消費税増税前は9.75万円、増税後は13.65万円)が上限となります。
2つ目が住宅ローンの残高。
これが“住宅ローン控除”と言われる所以でもありますが、
毎年、住宅ローン残高の1%が控除されます。
住宅ローン残高は毎年減っていくため、
控除額も減っていく可能性があるということにご留意下さい。
そして3つ目が入居時期による上限。
下記の通り入居した年によって控除の上限額が決まっています。
・消費税増税前は年間20万円(長期優良住宅・低炭素住宅は30万円)
・消費税増税後は年間40万円(長期優良住宅・低炭素住宅は50万円)
これら3つの中で一番低い金額が毎年の控除額となり、
それが10年間適用されるのです。
ですので、控除の枠は最大300万円ではありますが、
実際には年収(所得)やローン残高によっては、
その枠を使い切れないことは少なくありません。
(ちなみに、平成26年4月1日の消費税増税にあわせ、
より住宅ローン控除の効果を高めるために、
使い切れなかった枠の分、現金給付を行う案が検討中です)
では、実際にいくらくらい控除を受けられるのか、
2つのケースで比較してみます。
■ケース1
・所得税+住民税の年間納税額 20万円
・住宅ローン借入額 2500万円
(金利2.0%、35年返済、元金均等返済)
・建てる住宅は一般住宅
■ケース2
・所得税+住民税の年間納税額 60万円
・住宅ローン借入額 6500万円
(金利2.0%、35年返済、元金均等返済)
・建てる住宅は長期優良住宅
ケース1の場合、住宅ローンの控除額は次のようになります。
消費税増税前 200万円
消費税増税後 200万円(+現金給付の額)
続いて、ケース2の場合。
消費税増税前 300万円
消費税増税後 500万円
ケース2の場合は10年間で200万円も控除額が上がるということで、
その差は歴然としています。
結局のところ、住宅ローン控除は
年収(所得)が高くて住宅ローンの借入額が大きい人に有利になっています。
皆さまも、住宅ローン控除でいくら“トク”するのか、
冷静に計算してみることをお勧めします。
資金計画 住宅ローン控除とは
代表プロフィール

草野芳史(くさのよしふみ)
資格・役職等
CFP
住宅ローンアドバイザー
宅地建物取引士
公認ホームインスペクター(NPO法人日本ホームインスペクターズ協会)
(一社)マンション管理相談センター理事
金城学院大学非常勤講師
メディア出演・掲載誌
-
2023/01/10
メディア出演・掲載一覧 -
2023/01/10
「不動産売却の費用・手数料を一覧で紹介」記事監修しました -
2022/07/05
中日新聞「参院選2022 中部経済 課題の現場から 住宅ローン」コメント掲載 -
2022/06/11
不動産売却の教科書「家を購入するときの流れ」監修記事掲載 -
2022/04/12
ライフルホームズ「30坪の土地にローコスト住宅を建てる際のポイントとは?」記事監修しました
お客様の声
-
2023/01/16
名古屋市S.T様からのお言葉「今後の動き方を教えていただいた」 -
2022/12/30
名古屋市伊藤様からのおことば「知合いで家の購入を考えている人がいたら勧めたい」 -
2022/12/26
名古屋市R.Iからのお言葉「自分達のライフプランを定量化できた」 -
2022/11/07
名古屋市T.M様からのお言葉「家づくりの進め方やどうやって考えていけばよいかわかった」 -
2022/10/31
名古屋市T.I様からのお言葉「予算の目安がわかり、よかった」
新着・イベント情報
-
2023/01/26
メルマガ「マイホーム購入塾」vol.169発行しました -
2023/01/19
メルマガ「マイホーム購入塾」vol.168発行しました -
2023/01/12
メルマガ「マイホーム購入塾」vol.167発行しました
お問い合わせ

