本日は3組のご相談がありましたが、
その内の1組は住宅ローンのご相談。
その中で、今後の金利動向のお話が出ました。
実は昨日、このお話しに大きな影響を与える発表がありました。
それは、9月20・21日に開催された
日銀の金融政策決定会合の結果について。
今回の会合では、過去3年半に及ぶ黒田総裁が主導する
日銀の金融緩和政策の検証が行われています。
検証結果によっては、日銀の金融政策が変更になり、
住宅ローンの金利動向にも影響が出る可能性があります。
発表を見てみると・・・
まず、これまでの金融緩和について。
金融環境は改善し物価の持続的な下落はなくなったと評価するものの、
消費者や企業の景気改善への期待が弱いために
思ったほど景気が上向きになっていない、とのこと。
そこで、今後どうするのか。結構大きな変更がありました。
これまでは主に資金を市場に供給すること(マネタリーベースの拡大)によって
消費や投資を呼び込み、景気回復につなげようとしていました。
今後は、一応マネタリーベースの拡大は続けつつ、
短期と長期の金利操作(イールドカーブ・コントロール)を行うとのこと。
短期の金利操作は、2月にスタートした
マイナス金利政策を継続することになります。
(マイナス幅の拡大は見送られています)
特筆すべきは、長期金利の操作を行う点。
これは世界的に見ても例がありません。
具体的には、このところマイナス0~0.1%の間にある
長期金利(日本の10年モノ国債の利回り)が低すぎると判断し、
0%程度で推移するようにコントロールするとのこと。
これは、金融機関の経営環境や年金などの資産運用の改善が狙いです。
これらの金融政策が住宅ローンの金利にどのように影響するか?
変動金利タイプについては、これまでの政策が
継続されることになるため、大きな変化はないと思われます。
そして10年以上の期間固定・全期間固定金利タイプについては、
短期的には若干上昇する可能性があります。
10月の上昇幅は銀行によって違うでしょうが、
0.05%~0.2%と言ったところでしょうか。
中期的には、「物価上昇年率2%」という目標を達成するまで
日銀は金融緩和を続ける予定ですので、
大きく住宅ローンの金利が上がる可能性は低いと言えます。
ただ・・・
長期金利の操作は世界でも例のない金融政策。
どのような影響が出るかは分かりません。
日銀の思惑通りいくかどうか???
一つだけ言えそうなのは、今年の8月が
住宅ローン金利の底だった、ということ。
今後、今の水準よりも住宅ローンの金利が下がることは
あまり期待しない方が良さそうです。
住宅ローン 日銀の金融政策変更の住宅ローンへの影響
代表プロフィール
草野芳史(くさのよしふみ)
資格・役職等
CFP
住宅ローンアドバイザー
宅地建物取引士
公認ホームインスペクター(NPO法人日本ホームインスペクターズ協会)
(一社)マンション管理相談センター理事
金城学院大学非常勤講師
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