住宅ローン 固定金利期間選択タイプの注意点 当初期間終了後はどうなる?

前回の当ブログにて、3年固定タイプの住宅ローンは
当初の優遇期間が終わったら金利が上がると書きました。
これは固定金利期間選択タイプの住宅ローンの重要な点で、
いざその時になってビックリすることもあるので、
少し詳しくご説明しておきます。
固定金利期間選択タイプというのは、
あらかじめ決められた一定期間の金利が決まっており、
その期間が終わったら、その時点の金利水準に合わせて
再度金利や金利タイプを選び直すという仕組みになっています。
“固定”という言葉から“全期間固定金利”を
連想するかもしれませんが、あくまでベースは変動金利であり、
そこに一定の特約期間が付いているだけとお考え下さい。
そして、注意が必要なのが当初期間終了後の金利。
自動的に金利が上がることが多いのです。
なぜかというと、新規借り入れ時には、
“新規入会キャンペーン”で通常よりも割引が大きかったものの、
当初期間終了時は単なる“更新”なので割引幅が減ってしまうため。
例えば、店頭基準金利が3.20%で一定だとして、
当初10年間の優遇幅が1.7%、それ以降、完済までの優遇幅が
1.0%だった場合、金利は下記のようになります。
 ・店頭基準金利 3.2%
 ・当初優遇金利 1.5%(基準金利から1.7%優遇)
 ・11年目以降 2.2%(基準金利から1.0%優遇)
もともとの金利水準(店頭基準金利)は上がっていないのに、
当初固定期間が終了したとたん0.7%も金利が上がってしまいます!
さらに、この金利の上昇幅は変動金利タイプのように
“当初返済額の1.25倍まで”などと上限が決まっていませんので、
市場の金利水準が上がれば、返済額が一気に上がることもあり得ます。
大幅に上昇した金利を目の当たりにして、
ローンを勧められた住宅会社や銀行に“騙された!”
と思ってしまう方もいるかもしれません。
当初の金利の低さを謳う広告も時々見受けられますが、
目先の金利の低さだけで判断すると、トータルでは損することもあります。
特に、2年とか3年といった短期の固定金利期間選択タイプの場合、
当初の金利は非常に低いのですが、
その恩恵を受けられる期間が極めて短くなります。
ですので、前回ご紹介したように、変動金利に乗り換える前提で
短期の期間選択タイプを選ぶのならともかく、
“固定金利”の安心感を求めるのなら、
最低でも10年固定以上を選ぶことをお勧めします。

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