住宅ローン 変動金利0.525%と10年固定0.45%はどっちがおトク?!

昨日は住宅ローン・資金計画関係のご相談が3組続きました。
その中で、某信託銀行の10年固定のお話が出ました。
日銀のマイナス金利政策の影響もあり、
各銀行の住宅ローンの低金利競争も過熱しています。
変動金利で0.5%台前半など当たり前になっています。
そこに輪をかけるように、10年固定で0.45%なんて商品があるのです。
エッ、10年間は金利が変わらない(変動金利は半年ごとに
金利が変わる可能性アリ)うえに、変動金利よりも金利が低いなんて、
それってすごくおトクなのでは?
確かにおトクと言えばおトク。
草野もこの某信託銀行の10年固定をお勧めすることはあります。
ただ、人を見てお勧めしたりしなかったりと、使い分けています。
そう、人によっておトクかどうかは変わるのです。
その説明をするためには、
10年固定金利の仕組みを知る必要があります。
10年固定金利タイプというのは
返済当初10年間の金利が確定しているというローン商品。
10年が経過すると、金利や金利タイプなどの条件が
あらためて仕切り直しになります。
(何もしないと自動的に変動金利タイプに移行します)
つまり前述の某信託銀行の場合、
0.45%という低金利は当初10年間だけ。
それ以降はどうなるかというと、その時の店頭基準金利(表示金利)から
最大1.4%引いてくれることになっています。
「1.4%も引いてくれるなんてラッキー!」と思ったアナタ、
みごとに銀行の術中にハマっています。
今月の10年固定の基準金利は2.75%ですから、
そこから1.4%を引けば1.35%。
つまり、店頭基準金利が現在の水準から上がっていなくても、
11年目に再度10年固定を選べば
自動的に金利が上がっている可能性が高いのです。
これを専門用語としては「当初引き下げ型」と呼びます。
それに対して変動金利タイプの場合。
仮に店頭基準金利が2.475%で、現在の実効金利が0.525%だとすると、
引き下げ幅は1.95%になります。
そして一般的にこの引き下げ幅は、住宅ローンの完済まで適用、
すなわち「通期引き下げ型」となります。
ですので、もし金利水準が今と変わらなかった場合、
通期引き下げ型の変動金利タイプのほうが、
当初引き下げ型の10年固定よりもトクするケースもあるのです。
変動金利タイプと10年固定金利タイプ、どちらがトクかというと、
それは返済期間によって変わってきます。
返済期間が短ければ返済当初の金利が低い10年固定が有利ですし、
最長である35年で返済する予定なら変動金利のほうが有利。
例えば3000万円を元利均等で返済する場合。
変動金利タイプ0.525%・35年返済と比較すると、
10年固定金利タイプ(当初10年間0.45%、以降1.35%)なら
返済期間24~25年までなら10年固定、
それより長ければ変動金利が有利となります。
なお、この試算はあくまで金利水準が
現在と変わっていなかった場合です。
変動金利は半年ごと、10年固定は10年後に金利が見直しされ、
その時の金利水準によっては金利が上がっているリスクがある点は
よくご認識ください。

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