資金計画 施主支給はコストは下がると言うけれど?!

昨日、工事請負契約に向けて商談中の方から、
図面や見積を見ながら内容についてのご相談がありました。
その中で、“施主支給”についてのお話しが出ました。
施主支給というのは、家を建てる際、全てをおカネで払うのではなく、
一部の建材等を現物で支給してしまうというもの。
最近はネット通販やアウトレットが広まり、
施主支給を検討する人が増えているかもしれません。
この施主支給。
施主にとっては自分で探して発注する手間が増えるものの、
下記のようにいくつかのメリットが得られることがあります。
 1)こだわりの建材や設備を使える。
 2)住宅会社よりも安価に仕入れられることがある。
施主にとってはメリットがありそうですが、
住宅会社にとっては自社の管轄外の部材が入るために
次のようなデメリットが気になります。
 1)品質に責任が持てない
 2)工程管理に手間がかかる
 3)利益が減る
大手ハウスメーカーなどでは、
利益を重視するというよりもリスクを避けたいという面から、
施主支給不可というケースも珍しくありません。
それでも、施主にとってのメリットは捨て難い、という時は・・・
まずは施主にとってのリスク(デメリット)は
下記の通りですので、よく承知しておきましょう。
 1)施主の手間が増える。
 2)責任の所在が曖昧になり、施工や品質にトラブルがあっても
  保証されないことがある。
 3)意外と金額が下がらないことがある。
その上で、施主支給を行うなら、以下の点に注意して下さい。
 1)施主支給を考えていると、早めに住宅会社に伝える。
 2)支給するものは、出来るだけ施工や責任を分けやすい部分
 (空調や照明、カーテン、外構など)に絞る。
 3)施主が責任を持って、納期の調整やアフター保証の対応をする。
 4)値段重視なら、住宅会社からも見積を取って比較する。
プロである住宅会社は、建材の仕入れ時には
一般の人よりも値引きが大きいため、手間やリスクを考えると、
施主支給はメリットが出にくいこともあります。
コスト重視で施主支給を考える人もいると思いますが、
住宅会社と十分打合せをして、慎重に検討することをお勧めします。

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