平成26年4月1日に消費税が増税されるとコストが3%アップするので
それまでに家を建てたい、という方もいらっしゃると思います。
もし工事費用が3000万円だったら90万円のコストアップですので、
バカにできないように思えます。が、慌てるのは早計です。
それは、前回1997年の消費税率の5%へのアップ時に
何が起こったかをを振り返れば分かります。
このときも、増税前の駆け込み需要が過熱、
建築現場では職人不足でコストがアップし、
現場によっては施工が雑になったりしました。
その反動で、税率アップ後の年間着工件数は
前年度比マイナス15.6%と激減、そのため、
住宅会社は値引きして受注確保せざるを得なかったのです。
それを考えると、消費税率アップ分のコスト増など、
値引きで充分にカバーできる可能性があります。
また、国も駆け込み需要が発生することは想定しています。
過度な駆け込み需要による経済への影響を抑えるために、
消費税増税後の税制優遇を行う予定で、
平成25年度の税制改正大綱にはこんな文言も盛り込まれました。
・消費税率引き上げ前後の影響が大きいことを踏まえ、
住宅ローン減税の拡充などの税制措置を講ずる。
・住宅ローン減税の効果が限定的な所得層に対し、
給付措置を講じる。具体的な内容は今年の夏には示す。
具体的には、住宅ローン控除が下記のように延長・拡充されます。
・一般住宅の場合
平成26年3月末日までの入居
借入限度額2000万、控除率1%、最大控除額200万(20万/年)
平成26年4月1日以降の入居
借入限度額4000万、控除率1%、最大控除額400万(40万/年)
・認定長期優良住宅、認定低炭素住宅の場合
平成26年3月末日までの入居
借入限度額3000万、控除率1%、最大控除額300万(30万/年)
平成26年4月1日以降の入居
借入限度額5000万、控除率1%、最大控除額500万(50万/年)
さらに、所得税で控除しきれない金額のうち、住民税から控除される
金額の上限が現行の9.75万円から13.65万円に引き上げられるとともに、
それでも控除しきれない金額を現金で給付する案も検討中です。
※平成26年4月1日以降の入居であっても、消費税率5%が
適用される場合は平成26年3月末日までの入居と同じ扱いとなります。
ほかにも、各種税制優遇が軒並み延長されますので、
こと消費税増税という点では、あまり増税前・増税後で
金銭的な差は出ないと思われます。
それよりは、円安の進行による輸入建材の価格上昇や、
株高・債権安等による住宅ローンの金利上昇の方が、
よっぽどコスト面での影響があると言えます。
ですので、本当に建て時がいつなのかを判断するには、
・消費税増税などの税制改正(増税後の税制優遇や相続税・贈与税など)
・住宅ローンの金利動向(景気や国債利回りの動向)
・建材価格の動向(円安の進行具合と建築の需要動向)
などを見通すことが必要で、そんなことができるのであれば
日本はこんなに不況で苦しんでいませんよね?!
結局は「自分達にとって必要な時期が、“建て時”」ということ。
慌てて家づくりをしてしまうと、満足のいく家を建てられなかったり、
過大な住宅ローンの返済に苦労することもあり得ます。
家族のライフプランを踏まえて、どんな暮らしがしたいのか、
家を建てて家計は大丈夫なのかをしっかり考えれば、
まわりに振り回されて建て時を外すなんて失敗もなくなるでしょう。
資金計画 消費税増税と家の建て時
代表プロフィール
草野芳史(くさのよしふみ)
資格・役職等
CFP
住宅ローンアドバイザー
宅地建物取引士
公認ホームインスペクター(NPO法人日本ホームインスペクターズ協会)
(一社)マンション管理相談センター理事
金城学院大学非常勤講師
メディア出演・掲載誌
メディア掲載一覧を見るお客様の声
お客様の声一覧を見る新着・イベント情報
-
2024/11/19
2024年12月1日(日)三重県鈴鹿市にて住まいのワンポイント相談会開催 -
2024/11/14
メルマガ「マイホーム購入塾」vol.263発行しました -
2024/11/10
2024年11月30日(土) 中日新聞桑名ハウジングセンターにて住まいのワンポイント相談会開催