住宅ローンの金利というのは月に一度見直されており、
様々な要因で毎月のように変わってます。
どのような基準で決まるのかというと、
金利タイプ(変動、期間固定、固定)によっても違います。
そこで、金利タイプ別の金利水準の決まり方を見ていきます。
まず変動金利ですが、主に「短期プライムレート」に連動します。
短期プライムレートというのは、各金融機関の貸出金利のひとつで、
融資期間が1年以内の貸出金利のことです。
ちなみに、短期プライムレートは
短期金利市場(無担保コール翌日物金利)に連動しており、
日銀は短期金利市場を金融政策の操作目標にしていましたので、
日銀の“政策金利”を見ていれば、変動金利の動向が見えました。
要は、景気が悪いときは景気を刺激するために政策金利を下げ、
このところの不景気により“ゼロ金利政策”(無担保コール翌日物金利を
0~0.1%に据え置くこと)が続いていた訳です。
(景気が上向きになったときは景気の過熱を抑えるために
政策金利が上がります)
それが今年4月の黒田日銀新総裁の“異次元金融緩和”により、
日銀の金融操作目標が無担保コール翌日物金利から、
“資金供給残高(マネタリーベース)”に変更されたため、
いまいち日銀の政策目標との連動性が見え難くなりました。
それでも大雑把に言えば“住宅ローンの変動金利タイプは
景気に連動している”と言って差し支えありません。
10年以内の期間固定金利タイプも変動金利と同様の動きをしますが、
「短期プライムレート」にプラスして「長期プライムレート」
(融資期間が1年以上の貸出金利)の影響も受けます。
ちなみに、長・短期プライムレートの推移は、
日銀のホームページで確認することが出来ます。
(プライムレートの推移はコチラ)
それに対して、10年以上の長期固定金利は、主に
「長期(10年もの)国債の利回り」(長期金利)に連動します。
国債の利回りが上がれば住宅ローンの長期固定金利も上がります。
が、間違えやすいのが、国債の「価格」が上がったら
住宅ローンの金利が下がるという点。
「国債の価格が上がる」=「利回りが下がる」からなのです。
なお、長期固定金利でも「フラット35」は、
長期金利以外に、住宅金融支援機構が発行する資産担保証券
(MBS:Mortgage Backed Security)の価格の影響も受けます。
このように、住宅ローンの金利水準というのは、
景気や社会情勢の影響をモロに受け、
そこに個別の要因(地域性や各銀行の営業方針等)も加わり、
動向を正確に予測するのはハッキリ言って困難です。
でも、金利が決まる仕組みを知っておけば、
数ヶ月先の予測はある程度可能と言えます。
数ヶ月といえども、その間に金利は動きますので、
住宅ローンの申込みや実行(建物の引渡し)時期を調整し、
各銀行のキャンペーンなどの情報を加味することで、
多少なりとも有利な借入ができるようになるでしょう。