本日は、新年らしく今年の住宅ローンの見通しについて
書いてみたいと思います。
まずは金利動向について。
日銀のマイナス金利政策の影響などで、変動金利タイプは
一部ネットバンクや信託銀行で0.5%を切るなど、
あいかわらず記録的低金利が続いています。
変動金利タイプは基本的に景気
(とそれに基づく日銀の金融政策)に連動します。
少なくとも利上げになる可能性は低く、
もしかしたら0.4%台前半という金利も見られるかもしれません。
ただ、長期固定金利タイプは、
2016年8月にフラット35が過去最低金利を更新後は、
横ばい、もしくは若干の利上げ傾向になっています。
少なくとも、2016年2月のマイナス金利政策や、
2013年4月のバズーカ金融緩和といった
大胆な金融緩和政策が行われない限り、
現状からの利下げは考えにくいと思われます。
そのため、長期固定金利タイプは
じりじりと利上げになる可能性も否定できません。
また、金利にも影響を与えるのが、
銀行を取り巻く環境です。
これまで住宅ローンは銀行にとってリスクが低く、
各家庭に喰い込める美味しい商品でした。
が、過熱する低金利競争で、銀行の収益も悪化、
住宅ローンに対するスタンスも変わってきました。
例えば、みずほ銀行が一部住宅ローン業務の縮小や
三菱UFJ信託銀行が住宅ローン業務からの撤退を
検討しているとの報道も出ています。
そして、地銀・信金の再編も加速しています。
東海地方でも三重県の第三銀行と三重銀行の経営統合や
つい先日も桑名信金と三重信金との合併が報道されています。
銀行の経営基盤はしっかりするものの、
住宅ローンの選択肢が減ることで、
金利やサービスが低下する可能性もあります。
ある地方銀行では、
昨年春までは住宅ローンに積極的でしたが、
最近は以前ほどの金利引き下げが見られなくなるなど、
風向きが変わってきているように思われます。
ということで、銀行によって
住宅ローンの取り扱いが二極化していくでしょう。
2018年はその過渡期ということで、
これまでから続く低金利競争の影で、
住宅ローンの環境が徐々に変わってきます。
住宅ローンから撤退や縮小する銀行がある一方、
昨年以上によい条件のローン商品も出てくるでしょう。
住宅ローンを借りる側からすると、
さらに難度が上がる年になりそうです。