昨日は、二組のご相談者にマイホーム予算診断をご提出しました。これから40年間のライフプランを踏まえて家計を分析し、家の予算をいくらまで出しても大丈夫かを診断しています。はなしは単にお金のことだけでなく、ご家族のあり方やこれからのライフプランにまで広がります。昨日も同様にお話をしていたら、ちょうど前回の当コラム「新婚さん、家づくりはちょっと待って！？」をご覧になっていて、「やっぱり新婚だと家づくりははやいのでしょうか？」との話題になりました。
このコラム、実は典型的で分かりやすいので（ちょうどご相談が重なっていたということもありますが）、敢えて「新婚さん」を対象に書いてみましたが、別に新婚さんに限った話ではないのです。家づくりを進めるにあたっては、これからのライフプランがあるていど明確であることが望ましいのですが、新婚さんはまだ年齢的にも将来の仕事がどうなるか明確でなかったり、子どももまだいなかったりと、ライフプランが明確でないことが少なくありません。その場合は、家づくりを慌てずに、もう少しこれからのビジョンを明確にしてからの方がいいですよ、とのお話しになります。
では、新婚さん以外で、家づくりを待った方が良い典型的な例をあげてみます。それはちょうど定年前、50代のご夫婦の家づくりです。この年代のご夫婦と言うのは、目前に仕事のリタイア（退職）を控えており、生活が大きく変わる可能性があります。すでにリタイア後のセカンドライフが明確であれば良いのですが、まだはっきりとしたビジョンがない場合、それは不確定要素となります。もしセカンドライフが明確であっても、たとえば田舎暮らしをしたいなど、いまの暮らしから大きく変わるようなら、いま新居を作っても新居と現居との行き来がたいへんになるかもしれません。
また、50代のご夫婦は、お子様の就職・独立も控えており、家族構成が大きく変わるタイミングでもあります。すでにお子様が就職や結婚し、お孫さんが生まれていればある程度先の見通しは立つかもしれませんが、お子さんが学生の場合は、どこに就職するかや結婚後に同居するのか、そもそも結婚するのかといったことが不透明なケースが少なくありません。そうするとどのような家族構成を想定して家を建て良いのか悩ましいところです。例えば、将来子どもに同居して欲しいからと二世帯住宅を建てても同居してくれるとは限りませんし、もしその二世帯住宅を親子リレーローンなどで組んでしまったら、子どもの将来を縛りかねません。家やローンという重荷を背負ったがために、結婚を逃すこともあり得ない話ではないのです。
さらに、50代のご夫婦の親はだいたい70代～80代。これまでは元気であっても、いつ介護などの世話が必要になるかは分かりませんし、場合によれば争続が発生して実家をどうするか考えなければいけなくなるかもしれません。家を建ててしまった後で、親の世話のために実家と頻繁に行き来するだとか、相続が発生したがために実家に戻らなければいけなくなる可能性もあるのです。
新婚さんの家や20代～30代のファミリー層の家は、これから子どもが生まれ育っていくという点では、家族ごとの差はあまり大きくありません。でも、50代以降の家は、退職や子どもの独立、親の世話や相続等、家族ごとの状況は大きく異なります。そう考えると、50代の家づくりは新婚さん以上に難しいと言えます。でも、50代での家づくりは止めて定年退職後に家づくりを行うとなると、それはそれで体力の低下が厳しくのしかかってきます。家づくりは想像以上に体力や気力が必要なので、できれば体力に余裕のあるうちにしておくに越したことはありません。草野のご相談者の中には、名古屋のマンション暮らしでしたが、老後は北海道の自然に囲まれた暮らしを夢見て、退職前から計画を立てて土地探しや家づくりを進めた方もいます。二人暮らし用で、趣味の部屋も完備した終の棲家を実現なさいました。実に素晴らしいです(^o^)
仕事が忙しいからと言って「すべては退職してから考える」と思っていると、いざ退職したらやる事がなくなり、しかも体力も無くなり、結局なにも出来なかったということになりかねません。50代に入ったら、家づくりだけでなくセカンドライフも含めてどのように暮らすかを明確にしておきたいですね。。。って、かくいう草野も今49歳。まったく他人ごとではありません(^^ゞ
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
マイホーム購入前に、中立な第三者にご相談を！
名古屋駅前の住宅専門ファイナンシャルプランナー
家計とマイホーム相談室 草野芳史
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
