土地・物件探し 建売住宅の見極め方 不動産系と建築系どちらの会社?

昨日は、これから家づくりをお考えになるという方と、住宅の種類のお話しをしました。戸建てやマンション、新築や中古、注文住宅や建売住宅、建築条件付きなど、住宅にもいろいろな種類があります。それぞれに特徴があり、それぞれにメリット・デメリットがある訳で、どれを選ぶかは住む人次第と言えます。

 

これらの中で、建売住宅のメリット・デメリットのお話しが出ました。建売住宅のメリットとしては

 1)比較的立地の良い物件が、

 2)比較的安価に、

 3)手間なく購入できる

といった点が挙げられます。逆に建売住宅のデメリットとしては、すでに完成しているので

 1)間取りや設備・仕上げなどをいじれない

 2)どのように施工されているか分からない

といった点が挙げられます。このデメリットのうち、1つ目の「間取りや設備・仕上げなどをいじれない」というのは、建売住宅だから当然と割り切れる人も多いでしょう。でも、2つ目の「どのように施工されているか分からない」というのは気になる人が少なくありません。昨日のご相談でも「安心できる建売住宅はどうすれば見つかるのでしょうか?」とのご質問が出ました。

 

品質の不安を払しょくするための方法はいくつかあります。例えば、

 1)完成前、特に着工前の建売住宅を契約して施工中の検査を行う

 2)完成している場合でも、専門家による検査を入れる

といった方法が挙げられます。ただ、1つ目の着工前の物件を契約して施工中の検査を行うというのはタイミングが合わないことが多いですし、2つ目の完成後の検査というのも手間や費用がかかります。そこで、手軽にでき、かつそれなりに見極めができる方法をお話ししました。それは、建売住宅の売り主が「不動産系の会社」か、それとも「建築系の会社」のどちらかかを確認する方法です。

 

「不動産系」「建築系」と言って何のことかよくわからない方もいるかもしれません、家づくりに関わる業界のことを、「不動産・建築業界」とまとめて言ってしまうこともあるくらいです。でも、「不動産業界」と「建築業界」はとても近いものの、そこには確かに違いがあります。ざっくり言ってしまうと、不動産業界は「土地や建物を売る仕事」、建築業界は「家を建てる仕事」と区別できます。

 

とは言え、二つの業界ははっきり分かれている訳ではなく、建築会社が不動産を売ることもありますし、不動産会社が家を建てることもあります。住宅会社が建築・不動産のどちらを母体にしているかで、家づくりに対するスタンスが変わってきます。ちょっと乱暴な言い方にはなりますが、不動産系の住宅会社は建売住宅に代表されるように、どちらかというと住宅は“売る”ものと考え、打合せの担当者は営業マンであり、施工は下請けの工務店に丸投げということも珍しくありません。逆に建築系の住宅会社は住宅は“作る”ものと考え、打合せの担当者は設計者や施工担当者が兼任するケースもあります。

 

これは、どちらが良い・悪いというものではありません。短時間で効率よく家が欲しければ不動産系の住宅会社が、こだわりをもってじっくり家づくりをしたければ建築系の住宅会社が合っていると言うことです。これが逆の組み合わせになってしまうと、建築系の住宅会社に対して、「家づくりがテンポ良く進まない」と思ってしまったり、不動産系の住宅会社に「営業マンに専門的知識が無い」「契約を急かされる」と思ってしまうことになりかねません。こんな点を意識して、その住宅会社がどんなスタンスを持っているかが分かれば、建売住宅を選ぶ時にも判断しやすくなります。

 

ただ、実際には建築系の中にも営業寄りの住宅会社もあり、上記のように明確に分類できません。見分け方としては社名に「○○不動産」などと「不動産」とか「土地」「地所」といった言葉があれば不動産系、逆に「○○工務店」とか「○○建築」とあれば建築系、と言えなくはないのですが、不動産会社でも「○○住宅」という社名は珍しくありませんし、最近は横文字(カタカナ)の社名も多く、会社名では判別つかないことも多くなっています。

 

そんな時に手っ取り早く「不動産系」か「建築系」かの目安を知る方法が、ホームページを見ること。その会社のトップページに「現在売り出し中の物件情報」として土地や建売などの情報がたくさん出ているようなら、その会社は不動産系です。逆に、トップページに「当社の施工事例」としてその会社が建てた過去の建物がたくさん載っているようなら、その会社は建築系です。建売住宅であっても品質にこだわりたいという人は、後者の建築系の会社を選ぶべきです。また間取りなどを少しでもこだわりたいという方で「建築条件付きの土地」を選ぶ場合も、売り主が不動産系の会社だと口では「注文住宅」と言いつつ細かな対応をしてくれない可能性がありますので、建築系の会社を選ぶ方が良いでしょう。

 

ひと口に建売住宅といっても、売る住宅会社によって中身は大きく変わります。物件を選ぶ際には、立地や間取りなど物件そのものも大事ですが、どんな住宅会社なのかも判断材料の一つにしてみて下さい。個別の建物を見なくてもある程度の傾向を掴めるので、たくさんある物件の中から候補を絞り込むのがラクになりますし、数が絞れれば一つの物件をチェックする時間もたっぷりかけられます。「不動産系」「建築系」といっても、最後は物件ごとの個体差があることも忘れずに、建物そのものもしっかりご確認下さい。

 

 

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家計とマイホーム相談室 草野芳史

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