建替えかリフォーム、どう選ぶ？ – マイホームの買い時や予算を診断｜名古屋の住宅専門ファイナンシャルプランナー

ちょうどいま、建替えかリフォームかというご相談をお受けしています。この新築かリフォームかで迷うケースと言うのは、珍しくありません。例えば

・すでに持ち家に住んでいて築年数が経って建物が傷んでいて、建替でもリフォームでも、何らかの手を加えないといけないケース

・実家の土地と建物を相続し、そのまま建物を使ってリフォームするのか建て替えるのか

・中古住宅を購入してリフォームするか、新築建売を購入するか

などのケースが挙げられます。

ハウスメーカーに相談すれば建替えを勧めてくるし、リフォーム会社に相談すればリフォームを勧めてくる、なんてこともよくあります。相談相手の立場によってアドバイスが変わるということですが、これは建替えにもリフォームにも、それぞれのメリット・デメリットがあるということを意味します。そこで、建替えとリフォームはどう選べば良いのか解説します。

◆目次◆

１．建替えのメリット・デメリット

２．リフォームのメリット・デメリット

３．建替えかリフォーム、どう選ぶ？

１．建替えのメリット・デメリット

リフォームに比べた建替えのメリットは、

・地盤や構造を、最新の基準や技術で作り直せる

・ゼロから設計できるので、間取の制約が無い

・一般的な住宅ローンを利用できる

・建物の保証（主に構造や防水）が、最低でも10年つく

（大手ハウスメーカーならもっと長期間）

といった点が挙げられます。

対して、リフォームに比べた建替えのデメリットは

・解体などの費用がかかるうえ、地盤から構造まで全て作り変えるためコストが高くなる可能性がある。

・コスト面だけでなく、以前に比べて法規制が厳しくなり、今と同じだけの面積が確保できなくなることがある。

といった点が挙げられます。

２．リフォームのメリット・デメリット

次に、建替えに比べたリフォームのメリットは、

・予算に合わせて工事の対象個所を増減させたり、工事の内容・程度を調整できる。

・解体費用がかからないだけでなく、すでにある構造躯体を利用するので、建替えよりもコストを抑えられる可能性がある。

・建替えよりも面積を大きくできる可能性がある。

・今の建物が築数十年から100年といった古民家の場合、新築にはない風格が得られる。

・ご親族の想いを引き継ぐことができる。

といった点が挙げられます。

ただ、建替えに比べたリフォームのデメリットは

・耐震改修すると言ってもあくまでいまの躯体の補強であり、地盤は基本的にいじれないなど、耐震性などは新築に及ばない可能性がある

・間取は、今の建物に制約される。

・建物のコンディションや間取りなどの希望によっては、建替え並み、もしくはそれ以上にコストがかかることがある。

・住宅会社によっては対応が難しい。

・銀行によっては、担保評価の関係などで通常の住宅ローンが使えないことがある。

・建物の長期保証は難しい。

といった点が挙げられます。

３．建替えかリフォーム、どう選ぶ？

まず考えたいのが耐震性などの構造が問題ないか。そもそも構造躯体がもたなければ、地震などに不安を抱えて住まなければならなくなります。昭和56年施行の「新耐震基準」の建物なら問題ないことが多いですが、それ以前の建物だと、耐震補強が必要なことがほとんど。そんな時は、自治体が補助する無料の耐震診断を受けて下さい。建物の耐震性や、耐震改修した場合のおおよその費用が分かります。大がかりな耐震改修が必要だったり、シロアリや雨漏りによる腐れなどもあって構造材が使用に耐えない場合は、いっそ建替えた方が良いかもしれません。

次に考えたいのが、間取とその前提となる暮らし方や家族構成の変化。例えば、高齢になって体力が衰え、1階と2階の行き来が大変になったり、少しの床の段差も気になるようになります。また、子どもの独立などで、空き部屋のある大きな建物に少人数で暮らすなど、現在の建物と暮らし方があまりに乖離していると、リフォームでも限度があり、いっそのこと建替えた方が良いということになります。これらによっては、大がかりなリフォームやリノベーションになり、新築並みに費用がかかる可能性も出てきます。

このように、建替えかリフォームかを選ぶ目安は、いまの建物に対する不満・不具合がどの程度で、工事の規模がどの程度になるのかということになります。工事が大がかりになるほど、リフォームより建替えの方が費用対効果が高くなると言えます。

でも、年齢が上がるほど環境の変化への対応が難しくなります。法規制の改正等で、建替えが出来なかったり建替えると床面積が狭くなることもあります。さらに、いまの建物への愛着も軽視できません。例えば若いころに建てた注文住宅だったり、小さい頃に暮らした実家だったりすると、想い入れも大きいものがあります。単に費用対効果だけでなく、総合的に見て建替えかリフォームかを判断することをお勧めします。

P.S.草野自身は、ただいま中古住宅購入＋リフォーム＆増築での家づくりを進めています。なぜリフォームを選んだのかや現在の進捗状況はこちらのブログにてご紹介していますので、ぜひご覧ください。