今朝の日経新聞朝刊にも掲載されていましたが、この1か月ほど、住宅ローン減税の特例(控除期間13年間)の対象期間の延長を国が検討していると、新聞などのメディアで報道されています。この制度が延長されると、最大で建物価格の2%が戻ってくるということで、家を買う人にとっては少なくない負担軽減となります。そこで、今回検討されている住宅ローン減税の控除期間13年の特例とその延長について見てみたいと思います。
◆目次◆
1.住宅ローン減税とは
2.消費税10%増税による特例
3.特例の現状~新型コロナウイルス感染拡大による特例の延長~
4.現在検討されている特例再延長の内容
5.特例再延長の見通しと対応
1.住宅ローン減税とは
もともと住宅ローン減税とは、住宅ローンを組んでマイホームを購入したら、入居から10年間は所得税や住民税が減税(控除)されるというもの。所得や借入額によって減税額は変わりますが、10年間で受けられる最大の減税額は、一般住宅で400万円、長期優良などの認定住宅で500万円となっています。
2.消費税10%増税による特例
昨年10月1日の消費税増税に伴う負担軽減・景気刺激策として、10年間だった控除期間が3年延びて13年間になりました。延びた3年間で、増税された消費税2%分が戻ってきます。ただ、この特例は消費税増税による駆け込み需要とその反動を抑えるという目的もあるため、2020年12月中に新居に入居することが条件となっていました。
3.特例の現状~新型コロナウイルス感染拡大による特例の延長~
ところが、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の自粛の影響で設計打合せや工期、設備機器の納品の遅れなどが発生し、住宅ローン減税の特例期限の2020年12月までに入居ができないケースが想定されるため、入居期限を2021年12月中と、1年延長されて現在に至っています。
ただし、この特例の適用を受けるためには、請負契約、もしくは売買契約の締結を、
a.注文住宅(請負契約):令和2年9月末
b.建売・中古住宅(売買契約):令和2年11 月末
までに行う必要があります。すでに注文住宅の請負契約の期限は過ぎ、建売や中古住宅の売買契約の期限もあと1か月ほどに迫っています。現在の特例の詳細は、コチラの記事をご参照下さい。
4.現在検討されている特例再延長の内容
ただ、新型コロナウイルスの影響は、重症者や死亡者こそそれほど増えていないものの、感染者数はいっこうに減らず、経済活動もなかなか元に戻りません。そこでいま実施されているGoToキャンペーン同様、景気刺激策として住宅ローン減税の控除期間を3年延ばす特例を適用する入居期限を2021年のところ2022年12月末まで、契約の期限も2021年9月末までに延ばす案が、政府や与党税制調査会で検討されています。
さらに、日経新聞などの報道によると、期限だけでなく
・面積要件(50平米以上)
・所得要件(所得3000万円以下)
の緩和も検討されているようです。
5.特例再延長の見通しと対応
これらの案は、毎年12月にまとめられる税制改正大綱に盛り込まれ、年明けの通常国会で決まるため、まだ確定ではありません。でも、新型コロナウイルスの感染拡大による景気低迷は当分収まりそうにありませんから、特例の再延長などに反対する勢力もないように思われます。そう考えると、特例適用に向けて来月中に建売住宅やマンションの契約をしようという人も、慌てなくてもよいように思われます。
気になる方は、今後の報道や12月に発表される2021年度の税制改正大綱などに注目下さい。
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名古屋駅前の住宅専門ファイナンシャルプランナー
家計とマイホーム相談室 草野芳史
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