住宅ローン マンションやハウスメーカーの提携ローンの特徴と注意点

昨日は、マンション購入をご検討中の方にマイホーム予算診断をご提出しました。その中で「提携ローン」のお話が出ました。マンションのディベロッパーなどが用意している提携ローンは手軽に利用でき、買主が自分で銀行に行って申込むのに比べてメリットがあるものの、逆に注意点もあります。そこで、本日のコラムでは提携ローンのメリットや注意点について解説してみたいと思います。

 

 


◆目次◆

1.提携ローンとは

2.提携ローンのメリット

3.提携ローンの注意点

4.提携ローンがある場合の住宅ローンの選び方


 


1.提携ローンとは


提携ローンとは、マンションや建売住宅のデベロッパーや不動産会社、注文住宅のハウスメーカーなどが、物件の買主・施主のために特定の金融機関と取決めし、一定の条件で提供している住宅ローンのこと。買主や施主が自ら銀行を探す必要がありません。大手のディベロッパーや不動産会社、ハウスメーカーではたいてい用意されています。

 

新築の分譲マションの場合は戸数が多いこともあり、まず確実に提携ローンが用意されていますが、中古マンションを地元不動産会社の仲介で購入する場合や、地元工務店で注文住宅を建てる場合などは、提携ローンが用意されていないことも珍しくありません。その場合、「銀行を紹介します」と言われても単に付き合いがあるというだけで提携ローンではないので、自分で銀行に申込むのと同じ扱いで、下記に挙げるメリットも期待できません。不動産会社や工務店から銀行を紹介されたときは、それが特典のある提携ローンなのかを確認下さい。

 

なお、大手企業や公務員の場合、職場で提携ローンを用意していることもありますので、提携ローンがないかを職場に確認することをお勧めします。

 


2.提携ローンのメリット


提携ローンの一番のメリットとも言ってよいのが、金利が低い等、借り入れ条件が良いということ。住宅ローンは、同じ銀行でも借りる人の年収や職業といった属性で金利などの条件が変わるものなのですが、提携ローンの場合は自動的に最も良い条件になることがほとんどです。ですので、もし希望する銀行や金利タイプが提携ローンで用意されていれば、利用しない手はありません。

 

また、提携ローンはディベロッパーやハウスメーカーの信用力もあり、審査に通りやすい傾向があります。また、新築分譲マンションの場合は特にそうですが、物件自体の担保評価は事前に済んでいるので、担保評価が足りないために借入れ出来ないということがありません。

 

この担保評価が済んでいるということは、審査が早く済むということであり、さらにマンションディベロッパーやハウスメーカーの担当者が窓口となり資料等も用意してくれるので、手間がかからないというメリットもあります。

 


3.提携ローンの注意点


逆に提携ローンの注意点として挙げられるのは、まずは選択肢が限られるということ。複数の大手メガバンクや地元の地銀・信金が用意されていることが多いものの、よく利用される変動金利タイプやフラット35などに偏っている傾向があります。そのため、ネットバンク等、自分の希望する銀行や商品が選べないことがあるうえ、提携ローン以外の銀行や商品を選ぼうとすると露骨に嫌な顔をされたり、そもそも提携ローン以外は選べないと売買契約書に謳われているケースさえあります。

 

提携ローンの注意点には、余計な費用がかかることも挙げられます。これは「住宅ローン取次ぎ手数料」や「住宅ローン事務代行手数料」などと言われるもので、銀行に支払う事務手数料以外に、マンションディベロッパーなどに提携ローンの手続きをするための費用を支払わなければなりません。金額は5~10万円程度が一般的です。

 

また、提携ローンは特定の物件やハウスメーカーを利用することが前提なので、その条件で他の物件やハウスメーカーを利用できないのが一般的です。提携ローンだから審査に通ったものの、物件やハウスメーカーが変わったので再度住宅ローンの審査をしたら通らなかったということも起こり得ます。

 

 


4.提携ローンがある場合の住宅ローンの選び方


希望している物件やハウスメーカーで提携ローンが用意されている時は、まずはその内容を確認しましょう。条件が良く、自分の希望に合えば十分に利用する価値はあります。

 

ただ、条件が良いからと言って、自分の希望に合わなければ、選ぶ意味がありません。例えば、長期固定金利タイプにしたいのに提携ローンには変動金利タイプしかない場合や、特に手厚い団体信用生命保険にしたい時などは、ネット銀行など提携外のローンも検討することをお勧めします。

 

そういう点では、いきなり銀行選びや提携ローンの内容を確認するのではなく、まずは自分たちが住宅ローンにどのような条件・希望を求めるのかを整理し、その条件に合った住宅ローンが提携ローンの中にあるのかを確認する方が良いでしょう。「提携ローン」といった名前や、低金利といった好条件に目を奪われずに、冷静に住宅ローン選びをして下さい。

 

 

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家計とマイホーム相談室 草野芳史

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