今朝の中日新聞にも掲載されていましたが、昨日から各種報道で「住宅ローン減税延長へ」との文言が踊っています。当コラムで何度かお伝えしていますが、現行の住宅ローン減税の控除期間13年の特例があと少しで切れるため、その延長が検討されているかと思ってしまいますが、ちょっと違います。記事に書いているのは、ひとことで言うと「年末の決定に向け、住宅ローン減税を延長する検討に入った」というだけ。つまり、住宅ローン減税自体は延長しますが、13年の特例を続けるかは触れられていません。それはそうですよね。自民党総裁選を明日に控え、その後衆議院議員選挙も控え、国土交通省が勝手にモノを言える状況ではありません。
では、なぜこのタイミングで発表されたのかというと、住宅ローン減税の13年控除の対象の一つである、注文住宅の請負契約の締結期限がまもなく来るからでしょう。2021年9月、すなわち今月中に工事の契約を結ばないと、控除期間13年の対象にならないのです。ちょうど先ほどもオンラインで相談をお受けしていた時にも話題になりましたが、いま家づくりを検討中の方にとっては控除期間10年か13年かは、大きな問題。今回の報道、ひいては国土交通省からの発信は「契約を慌てなくても、控除期間13年の特例は延長するつもりですよ」というメッセージだと思われます。
ただ、繰り返しですが、いまの時点では踏み込んだことは言えないので、「住宅ローン減税自体を延長する」というだけで、その延長する内容についてはぼかしているのでしょう。今回の報道の中に自民党税制調査会の幹部の発言として「住宅ローン減税がなくなることはない」とある通り、延長自体は既定の事実と言えます。今後焦点となるのは、
1)控除期間をどうするか(13年の特例を延長するか)
2)逆ザヤ(たくさん借りた方が儲かる)解消をどうするか
の2点。発表にもある通り、衆議院議員選挙後に与党と協議して検討することになりますが、コロナ禍で景気が悪く、ウッドショックで住宅着工に影響が出ている中、税制優遇を縮小することは難しいでしょうから、草野は少なくとも当面(あと1年?)現行制度のまま延長されるのではないかと予想しています。どちらにしても今後の動向を注視します。
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名古屋駅前の住宅専門ファイナンシャルプランナー
家計とマイホーム相談室 草野芳史
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