先日、検討中の住宅会社のことをネットで調べたら、トラブル事例がたくさん出てきたので、その会社で進めて良いのか悩んでいるとのご相談がありました。そもそもネットの情報自体は、あまり真に受けるのもどうかと思います。もともと住宅業界は「クレーム産業」と言われるくらい、トラブルがつきもの。大手ハウスメーカーをネットで検索すれば、必ずといってよいほどトラブルや欠陥住宅といった情報が出てきます。大手ハウスメーカーは着工棟数が多いうえにネームバリューもあるので、どうしてもネットでマイナス情報も出てきます。大事なのは「だからそのメーカーで建てない」ではなく、「トラブルが起きないように予防・注意すること」です。
そのために知っておきたいのが、家づくりにはどんなトラブルがあるのかということで、大きく次の3つに分けられます。
1)おカネのトラブル 予算オーバー、悪条件の借入、無理な借入 等
2)契約上のトラブル 工期オーバー、支払トラブル 等
3)品質上のトラブル 手抜き・欠陥工事、図面と現場の相違 等
どれもしっかり気を付けておけば、大きな問題になることはほとんどありません。例えば、予算を決める前に家計をシミュレーションして適正な予算額を検討しておくとか、慌てて契約しないとか。ただ、より安く、グレードの高い家を、早く欲しい、というのが人情。お金はないけど何とかして・・・という無理がトラブルの元なのです。
そこで意識したいのが、『無理が通るのは一つまで』ということ。家づくりに当たっては誰でも予算を抑えたい、工期を短くしたい、仕上げ材や設備機器のグレードを上げたいと思うことでしょう。でも、予算を下げれば建物のグレードも落とさざるを得なくなったり、工期を短くしようとすれば費用が上がったりします。上記3点の希望を全て通そうと無理をすると、トラブルが発生しやすくなるのです。住宅会社としても、予算が無いので工期を延ばしてグレードを下げても良いと言ってもらえれば、まだ手の打ちようはありますが、予算は無い、工期も短い、グレードも落としたくないでは、赤字で受注することが出来ない以上、職人の質を落とす等どこかにしわ寄せが出てしまうもの。そもそも良識ある住宅会社なら「このお客さんは無理」と手を引いてしまい、請けてくれるのは資金繰りに窮しているなど訳ありの住宅会社だけだった、なんてことにもなりかねません。家づくりでトラブルになりたくなければ、予算・工期・グレードのうち、通せる無理は一つだけということを肝に銘じて下さい。
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名古屋駅前の住宅専門ファイナンシャルプランナー
家計とマイホーム相談室 草野芳史
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