住宅ローン 黒田日銀の金融緩和縮小で、住宅ローン金利はどうなる?

各種報道で大々的に取り上げられていますが、日銀は昨日・一昨日に開催された金融政策決定会合にて、長期金利の変動許容幅をプラスマイナス0.25%だったところ、プラスマイナス0.5%に引き上げる方針を固めました。長期金利というのは、日本の10年物国債の利回りのことで、利回りが上がればそれと連動してさまざまな金利も上がる可能性があります。これまではアベノミクスの金融緩和=景気対策として、日銀は低金利政策をしていましたが、海外の金融引締め=利上げで円安が進み、物価高(インフレ)で国民の生活が厳しくなってきたため、利上げ→行き過ぎた円安の是正→物価安定という狙いがあるもとの言えます。この狙いはまさにあたり、長期金利は即日0.46%まで急騰し、20日のニューヨーク市場で円は1ドル130円まで上昇しました。

 

マーケットが急激に反応したのは、予想外だったからと言えます。草野自身も利上げの可能性はゼロではないと思っていましたが、これまで黒田総裁は海外の金融引締めの中でも強気の姿勢を崩さず、来春の任期までは後には引かず、来春に就任する日銀の新総裁が軌道修正するのが既定路線と思っていました。黒田総裁の方針を変えさせれるほど、円安=物価高の悪影響が強かったのでしょう。

 

黒田総裁は「利上げではない」と記者会見で言っていますが、住宅購入を考えている人が気になるのは、今回の長期金利の許容幅引き上げで住宅ローンにどのような影響が出るかということでしょう。実際、本日草野のもとにもテレビ局から問合せが入りました。主に景気と連動し長期金利と直接的には連動しない変動金利についてはあまり影響はないと思われますが、10年以上の固定金利期間選択タイプや長期の固定金利についてはほぼ確実に上がるでしょう。長期金利が0.5%で推移するとすると、これは2014年ころの水準で、長期固定金利の代表的住宅ローンであるフラット35は1.8%でした。当時とは団体信用生命保険(団信)の扱いが違うため単純に比較できませんが、現行の団信と同様に金利を試算すると2%程度という所で、2022年12月の最安金利1.65%から0.4~0.5%程度上がる計算です。当時とは状況も違うので一概に言えませんが、フラット35が2%近くまで上がる可能性は十分ありそうです。

 

そこから先がどうなるかですが、不確定要素は多いとはいえ、黒田総裁は「金利幅の再拡大は無い」と言っており、実際の経済への悪影響を考えれば短期間でころころ政策を変えることは無いと思われます。海外の金融引締めにおいてもこのところ利上げ幅が鈍ってきていることを考えれば、長期固定金利タイプの住宅ローンは最大2%程度まで上がったところで利上げも納まる気がします。大多数の人が利用している変動金利は変わらないと思われるので、こと住宅ローンについては影響はそれほど大きくないかもしれません。ただ、これから長期固定金利を借りようという人にとっては影響は大きく、その結果固定金利を止めて変動金利を選ぶ人が増える可能性は十分あります。年明けから日銀総裁が変わる来春まで、固定金利の住宅ローンを検討している方は目の離せない情勢が続きます。

 

 

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