住宅ローン 1月の住宅ローン金利動向と2023年の見通し

 

明けましておめでとうございます。2023年もよろしくお願いいたします。2022年末の経済・金融界隈は、日銀・黒田総裁のサプライズとも言える長期金利(10年もの国債の利回り)の上限を0.25%から0.5%への引上げ=実質的な利上げ方針発表で幕を閉じた感があります。その影響で長期金利は0.5%近くへの利上げとなり、ドル円のレートはドル高に振れました。

 

という状況下で年が明け、各金融機関から2023年1月の住宅ローン金利が発表されました。黒田総裁の発表後、初めてと言ってよい住宅ローン金利の動向ですが、変動金利タイプを除いて、短期の固定金利期間選択タイプから長期の全期間固定金利タイプまで、軒並み0.2%程度の利上げとなりました。大幅な利上げと言ってよいものの、これは予想の範囲内。長期金利の上限が0.25%から0.5%へ引き上げられ、12月下旬は0.45%程度とプラス0.2%程度で推移していたからです。ちなみに、長期固定金利タイプの代表格・フラット35は、返済期間20年以上で先月の1.650%から1.680%へのプラス0.03%と微増に留まりましたが、これは先立って前月に0.11%とそこそこの利上げがあったためと言えます。

 

気になるのは今後の動向です。日銀としてはころころ金融政策を変えることは考えられないので、これまで長期金利の上限0.25%を死守していたのと同様、しばらくは長期金利0.5%を死守するものと思われます。幸い、欧米など海外の金融引締めの動きが鈍ってきており、利上げの圧力が弱まる可能性があります。うまくいけば2023年中に長期金利は以前の0.25%程度の水準に戻る可能性もあり得ます。ただ、日銀・黒田総裁は4月に任期満了で退任すると、後任の総裁が金融政策を見直し利上げ・円高を容認する可能性もあります。どちらにしても海外の金融引締めはまだしばらく続きますので、長期金利が0.5%まで上がった場合、過去の金利水準と比較するとフラット35で2.0%程度まで金利が上がる可能性も十分あります。

 

この状況を借りての側から見ると、これから住宅ローンを借りる方は金利が上がった長期の固定金利タイプを嫌い、現在の金利上昇の影響を受けていない変動金利を利用する人が増えるでしょう。ただ、もともと長期の固定金利タイプの利用者は多くないので、こと住宅ローンを借りる人にとっては大きな影響はないと言っても良いでしょう。また、すでに住宅ローンを借りていて返済中の方にとっては、ネットやメディアで住宅ローンの金利上昇リスクを煽る記事を見かけて不安になるかもしれませんが、固定金利で返済中の方は影響ありませんし、多数を占める変動金利タイプの利用者にとってもすぐには影響はほとんどないので、固定金利が上がっている今のタイミングでわざわざ慌てて住宅ローンを見直す必要は無いと言って良いでしょう。(ただ、これは変動金利がずっと変わらないということではなく、中長期的に景気が良くなった時には変動金利が上がる可能性はあり得ます)

 

どちらにしても、来年4月の日銀総裁の交代前後までは金融政策やマーケットの動向から目が離せません。

 

 

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