日銀が28日の金融政策決定会合で、金融政策の変更を決めました。具体的には日本の10年モノ国債(長期金利)の上限を、これまでの0.5%から1.0%に引き上げます。この長短金利を操作することをイールドカーブコントロール(YCC)と呼び、長期金利を低く抑える金融緩和により景気を刺激し景気回復を狙っていましたが、本来の水準より著しく低くなり欧米との金利差が開くことで円安になり、物価高を引き起こしていることが背景にあります。長期金利の上限を引き上げることで海外との金利差が縮まり、円安と物価高の是正を狙います。昨年12月には、黒田前総裁のもとそれまでの上限だった0.25%を0.5%に上げましたが、海外ではさらに利上げが進んだたため、半年経ってさらならる金融緩和の縮小に踏み切らざるを得なくなったというところ。日銀の植田総裁は、前任の黒田総裁が進めた異次元緩和については状況を見ながら見直していくと言っていましたが、就任4か月ほどで動きが出ました。その結果、実際に金融政策決定会合後、長期金利が急上昇0.54%まで上がりました。
この政策変更は、当然住宅ローンの金利にも影響を与えます。特に影響を受けるのは、長期金利に連動する長期固定金利タイプの住宅ローンです。次の各金融機関の住宅ローンの金利見直しは週明け8月1日の日がないため、多少の利上げ程度に納まる可能性もありますが、9月には0.2%程度の大幅な利上げもあり得るでしょう。逆に変動金利タイプの住宅ローンについては長期金利の影響はほとんど無いでしょう。そのため、今回の金融政策の変更で影響を受けるのは、これから長期固定金利タイプの住宅ローンを借りようという人になります。
とはいえ、欧米などでは利上げも終盤に来ており、来年には利下げに転じるとの見方も出ているため、日本の長期金利=長期固定金利タイプの住宅ローンの金利も、来年には落ち着くのではないかと思われます。そのため、これから長期固定金利タイプの住宅ローンを借りようという人は、可能なら借り入れ時期を遅らせるなど、タイミングを見計らってもよいかもしれません。
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名古屋駅前の住宅専門ファイナンシャルプランナー
家計とマイホーム相談室 草野芳史
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