昨日の当コラム「1月の住宅ローン金利動向と2024年の予想」の中で、「今年の前半は変動金利タイプで0.3%を切るような低金利の商品が出回る」と書きました。実は、すでにこのような変動金利タイプの商品が出ていますので、本日はそのご紹介をします。
最初に軽く注釈を入れておきますが、これからご紹介する低金利の住宅ローン商品は、1)限定キャンペーン 2)適用するには一定の条件がある ため、見た目のインパクトに比べて利用できる(利用する)人は多くは無いと思われます。そんな点を頭に置きながら、以下の各商品をご覧ください。
まず圧倒的なインパクトがあるのが、auじぶん銀行の0.169%(借換の場合はナント0.148%)という商品。0.3%を切るどころではない、スゴイ低金利です。おおもとの基準金利は2.341%で、そこから通常でも2.022%引下げされ0.319%(全期間引下げプランの場合)と変動金利としては十分な低水準ですが、そこからさらに0.15%引下げしてくれます。
といっても条件があり、住宅ローンと合わせて
・auの携帯を契約すると0.07%引下げ
・じぶんでんきの家庭用電気を契約すると0.03%引下げ
・J:COMかコミュファ光のインターネットを契約すると0.03%引下げ
・J:COM TVのテレビを契約すると0.02%引下げ
と、これらすべてを契約すれば計0.15%引下げて0.169%になるという、電力や通信などと抱き合わせで契約することで金利を下げるという仕組み。じぶんでんきはアリかと思いますが、au携帯の料金は安いとは言えませんし、インターネットの接続業者は変更できないこともありますし、テレビもふだん見ない人もいるでしょう。そういう点で、住宅ローンの金利を下げるために、意に沿わない・使わない携帯やネットを契約するのか?という話しになります。まあもともとの0.319%でも十分な低金利なので、つなぎ融資の取り扱いが無いといった使い勝手が気にならなければ、金利の面では検討の余地は十分あるでしょう。
次は、SBI新生銀行の0.19%。おおもとの基準金利は1.55%で、通常でも1.13%引下げされて0.42%となりますが、そこからさらに0.23%引下げて0.19%になるというもの。auじぶん銀行ほどではありませんが、それでも0.2%を切るインパクトは大きいです。ただ、こちらにも適用条件があり、それは当初の借入額が1億円以上というもの。。。 えッ? いちおくえん!? そこまで高額なマイホームを購入し、そこまで高額な住宅ローンを組める人がどれほどいるというのか・・・ 話題作りには良いですが、実際にこの条件に当てはまる人はごく少数でしょう。
ほかにもPayPay銀行の0.25%(自己資金10%以上)、ソニー銀行の0.297%(借換に限定)、住信SBIネット銀行の0.298%(融資額は物件価格の80%まで)という商品もあります。さらに今後は他行からもこういったキャンペーン商品が出てくる可能性も十分あります。繰り返しになりますが、ここに挙げた商品は驚異的な低金利ではありますが、期間限定のキャンペーン商品で、適用に当たってはそれぞれ一定の条件があります。さらにすべてネット銀行ということで、リアルな銀行と比べてつなぎ融資が無かったり審査に時間がかかるなど融通が利きにくい傾向があります。また、手数料・保証料といった諸費用や、団体信用生命保険の内容なども各商品によって違うので、単に低金利というだけで住宅ローンを選ぶと失敗することもありますので、ご注意ください。
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名古屋駅前の住宅専門ファイナンシャルプランナー
家計とマイホーム相談室 草野芳史
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