住宅ローン 日銀が政策金利0.25%への引上げ決定 住宅ローンはどうなる!?

日銀が7月30日・31日と金融政策決定会合を開きました。3月にマイナス金利政策の解除や長短金利操作の解除といった金融政策を大きく変更し、「異次元金融緩和」から通常の金融政策への転換を目指す中、今回の会合では6月の会合に引き続き国債買入減額の具体的な内容が議論されると言われていました。今回の会合の結果、国債買入は8月から四半期ごとに4000億円ずつ減額し、2026年には現在の月6兆円から月3兆円まで抑えることとされました。この決定により、住宅ローンでは長期の固定金利タイプを中心に利上げ圧力が高まる可能性があります。

 

ここまではマーケットの想定内だったと言えますが、今回の金融政策決定会合では、さらに政策金利(無担保コール翌日物レート)を0.25%に引き上げるとの決定がなされました。政策金利は3月にそれまでのマイナス金利政策を解除し0.0~0.1%としていましが、それから5カ月ほどで追加の利上げをすることになります。これは、日米の金利差が広がり円が売られドルが買われ、1ドルが162円まで円安が進んで輸入品が値上がりするなど、暮らしや経済への悪影響が看過できない水準になってしまったとの判断もあるでしょう。その結果、政策金利はリーマンショック直後の2008年12月の水準になります。

 

現在の景気状況からマーケットでは今回の金融政策決定会合では政策金利の利上げまでは行われないだろうとの観測が出回っていたので今回の決定はサプライズとも言え、日米の金利差が縮まる可能性により政府や日銀の狙い通り対ドルで円が急騰、7月上旬には1ドル160円を超していたのが、7月31日は一時150円まで上がりました。これらの動きを受け、メガバンクでは預金金利を利上げする動きが出ており、普通預金で三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行が0.02%から0.10%へ引き上げると発表しています。

 

政策金利の利上げは、住宅ローンでは変動金利タイプの利上げにつながる可能性があります。ちょうど明日8月1日に各金融機関が発表する8月の金利ではさすがにまだ利上げはされないでしょうが、9月以降については、今後の経済情勢にもよりますが利上げの可能性があります。先日のソニー銀行の利上げのように、まずは0.3%といったキャンペーン金利を打ち出しているネット銀行で利上げの動きが出る可能性があります。

 

また、昨日の植田総裁の会見では追加利上げについても否定されず、早ければ年内、遅くとも来年に日銀は政策金利をさらに0.5%まで上げるとの予測もあります。そうなるとメガバンクや地銀・信金などへも利上げの動きが広がるでしょう。過去の金利動向からすると、政策金利が0.5%だった2007年~2008年頃の変動金利タイプの水準・1%台後半くらいまで上がる可能性も否定できません。いよいよ金利の正常化に向けて動きが本格化し、「低金利神話」も終焉を迎えることになるかもしれません。住宅ローンを借りる立場からすると嬉しいことではありませんが、日本経済が活性化する一環だとすればいちがいに悪いことでもないでしょう。ただ、日銀の植田総裁が会見で言っていた通り、前提となる「賃金・所得の増加」が伴うことが望まれます。

 

 

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