本日は、中古マンションの購入を検討中の方と住宅ローンの打合せをしました。金利の上がるなか、金利上昇リスクを抑えるために固定金利タイプを検討したいとのことでご提示したのが、フラット35。ちょうど3月31日に成立した国の令和7年度予算で、4月1日から全期間固定金利タイプの住宅ローン【フラット35】に「中古プラス」が新しく始まったところなのです。
このフラット35中古プラスは、一定の建物の性能・品質を備えた中古住宅に対して、5年間、金利を0.25%優遇するというもの。これまで、中古(既存)住宅を対象とするフラット35の優遇では、中古住宅購入とリフォームを合わせて行う際の「フラット35リノベ」といった商品ははありましたが、中古住宅の購入だけの優遇制度はありませんでした。今回の中古プラスは中古住宅の購入だけでも優遇されるということで、国の既存住宅流通活性化を進める施策の一つになります。
対象となる中古住宅は、まず前提としてフラット35の技術基準を満たしている必要があります。そのため、融資にあたっては物件の検査が必要となります。ただ、下記のどれかに該当する物件についてはすでに技術金を満たしていることが確認できるため、物件検査は省略できます。
1)長期優良住宅の認定を受けている築年数20年以内の住宅
2)新築時にフラット35を利用した安心R住宅
3)新築時にフラット35を利用した築年数10年以内の住宅
4)中古マンションらくらくフラット35の登録マンション
ただ、上記どれかに該当していても、建物の劣化状況の検査は必須で、建設住宅性能評価書(既存住宅)を取得するか、下記の箇所の劣化や腐食・破損などの状況を目視で確認する必要があります。
・住戸内 床・天井・階段の割れ・欠損・剥がれ・腐食・漏水など
・バルコニー 手すりのぐらつき・腐食
・雨樋の破損
・屋外に面する開口部の隙間、開閉不良など
・給排水・給湯設備の漏水
上記条件をクリアすれば1ポイント加算され、前述の通り5年間金利が0.25%優遇されます。そしてフラット35Sなど他の優遇と併用できるので、例えばフラット35SのAプラン(2ポイント)対象の中古物件で、子どもが二人いれば(子育てプラスで2ポイント)計5ポイントになるので、金利は当初5年間が1.0%優遇、以降5年間は0.25%優遇となります。
追加でチェックする内容はそれほど難しい条件ではないので、フラット35の技術基準を満たしている建物なら適用のハードルはかなり低いと言えます。住宅ローンの金利が上がっているご時世のなか、フラット35は4月時点でまだ1.94%という民間の金融機関よりも低い金利水準を維持していて、さらにそこから優遇されるということで、いま注目すべき住宅ローン商品と言えます。
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マイホーム購入前に、中立な第三者にご相談を!
名古屋駅前の住宅専門ファイナンシャルプランナー
家計とマイホーム相談室 草野芳史
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