「そろそろマイホームが欲しい。でも、その前に車が買い替え時だし、それならカーローンを組もうかな・・・」と考えたこと、ありませんか? 先日も、ちょうど家づくりを考え始めたご相談者から、同じお話をお聞きしました。が、実はこれ、住宅ローンの審査に思わぬ落とし穴を作る行動かもしれません。そこで今回は、住宅ローンの審査前にカーローンなどの他のローンを組むと、なぜ問題なのか? どんな影響が出るのか?について詳しく解説します。
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1.他のローンがあると住宅ローン審査にどう影響する?
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住宅ローンの審査では、申込者の年収や勤務先だけでなく、「すでに借りているローン」も審査の対象となります。このとき、特に問題になるのが以下の点です。
- すでに借入があると、返済負担率が上がる
- カーローンの毎月返済額も、住宅ローンの審査に加味される
- 結果として、借入可能額が大幅に下がることも
「返済負担率」とは年収に対する年間の返済額の割合のこと(返済負担率(%) = 年間返済額 ÷ 年収 × 100)。毎月3万円のカーローンがある人は、住宅ローンの審査上「その3万円も返している人」として見られます。 その分、住宅ローンの借入れ額が下がってしまうのです。
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2.カーローンが原因で希望額を借りられなかったケース
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30代ご夫婦が家を購入しようとした際のケースです。ご主人が仕事で車が必要になり、300万円のカーローンを5年ローンで契約。月々約5万円を返済していました。その状態で住宅ローンを申し込んだところ、「返済負担率が高い」ことを理由に借入希望額の8割しか融資を受けられませんでした。結局、希望の土地を断念することになり、カーローンを繰上返済してから再度申し込むまでに数か月を要しました。
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3.住宅ローンを優先したいなら他のローンは控える
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住宅購入の計画があるなら、原則として他のローンは極力控えるのが鉄則です。どうしても車が必要な場合でも、可能であれば以下の順序を意識してください。
- 先に住宅ローンの審査・契約を完了させる
- その後、カーローンやクレジット契約を検討する
また、スマホの分割払いやクレジットカードのキャッシング枠なども「ローン」として見なされることがあるため、住宅ローンのを申し込む前に見直し、可能ならローンを完済したりクレジットカードを解約しておくと安心です。
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4.審査に通るために今からできること
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住宅ローン審査に通るためには、「信用情報」を整えることが大切です。具体的には
- 他のローンはなるべく完済・整理しておく
- クレジットカードの利用残高を減らす
- 収入証明や確定申告など必要書類を早めに準備する
そのうえで、「借りられる金額」ではなく「無理なく返せる金額」をもとに、家計やライフプランに合った借入額や資金計画を立てることをおすすめしています。
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5.まとめ 住宅ローンを本気で考えるなら“借入れ順”に注意!
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住宅ローンを借りる前に、他のローンを組んでしまうと、審査で不利になる可能性が高まります。特に、カーローンやリボ払いなどは、意外と審査に影響する落とし穴。住宅購入を考え始めたら、まずは他のローンを見直し、必要なら繰上返済や整理を検討することが大切です。
「住宅ローン審査が不安」「どの順序で進めればいいかわからない」 そんなときは、ファイナンシャル・プランナーなどの専門家に早めに相談して、万全の準備でマイホーム計画を進めましょう。
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マイホーム購入前に、中立な第三者にご相談を!
名古屋駅前の住宅専門ファイナンシャルプランナー
家計とマイホーム相談室 草野芳史
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