家づくりや住宅購入を考えはじめたとき、多くの方が気になるのが「土地の価格」です。「いま買うべき?もう少し待った方がいい?」「人気のある地域ってやっぱり高いの?」――そんな悩みや疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
国税庁が7月1日に最新の「路線価」を発表しました。これは1月1日時点の地価を基準とした評価額で、相続税や贈与税の計算に使われるだけでなく、地価の動きを知るうえでも非常に有効なデータです。この記事では、全国と東海エリア(愛知・岐阜・三重)の傾向や注目すべきポイントを、住宅取得を考える皆さん向けにわかりやすく解説します。
全国の宅地価格は「4年連続の上昇」―地価はどこまで上がるのか?
2025年の全国平均の路線価は 前年比+2.7%。これは2020年以降4年連続の上昇で、コロナ禍を乗り越えて地価が本格的に回復しつつある証拠です。
東京・大阪・名古屋などの大都市圏ではマンション開発やインバウンド需要の再燃を受け、特に商業地だけでなく住宅地にも地価上昇の波が広がっています。
とくに都市部の駅近・利便性が高い地域は、今後も土地価格が高止まりまたは上昇傾向を続ける可能性が高いといえるでしょう。
【愛知県】名古屋市千種区の今池で「+14.3%」―マンション開発が価格を押し上げる
愛知県全体でも路線価は 前年比+2.8%。名古屋市の中でも注目されたのが千種区・今池エリアで、今池1丁目の広小路通り沿いでは +14.3% という大幅な上昇を記録しました。
この背景には、大型マンションや高層ビルの建設が進み、駅近で利便性の高い土地に対するニーズが非常に強まっていることが挙げられます。地下鉄東山線沿線の本山、星ヶ丘、東山公園などでも10%前後の上昇が見られ、今後も周辺エリアへの波及が予想されます。
名古屋で住宅取得を検討している方は、「いままさに価格が上がっているエリア」と「これから注目されそうなエリア」を見極めることが重要です。
【岐阜県】高山市が驚きの「+28.3%」観光インフラ再生が後押し
岐阜県では、観光地である高山市の中心部(上三之町エリア)で +28.3% という全国でも屈指の上昇率を記録しました。
これはインバウンド(訪日外国人)観光の本格再開や、高級ホテルの新設ラッシュが要因。住宅地としての利用というより、投資や商業ニーズによる地価上昇が目立ちます。
一方で、郊外や住宅地の中にはまだ価格が安定している場所もあり、「住む場所」としての検討であれば、まだ手頃な価格の土地も選択肢に入りやすい地域と言えるでしょう。
【三重県】じわりと回復基調へ―エリアによる差がポイントに
三重県については、全体の地価がやや安定傾向にあり、愛知や岐阜ほどの急激な変化はないものの、主要都市を中心に緩やかな回復が続いていると見られています。
伊勢・津・四日市などでは再開発やインフラ整備にともなって土地需要がじわじわと戻りつつあり、「割安感のあるエリア」でマイホームを検討したい方には狙い目ともいえるタイミングです。
これから土地を探す方へ ―「買い時」や「選び方」の視点を持とう
ここ数年、宅地価格は全体として上昇傾向にありますが、その動きには地域差が大きく、一律に「上がっている」「下がっている」とは言えません。
だからこそ、今の路線価をヒントに、
- 「いま上昇している場所」
- 「これから上がる可能性がある場所」
- 「まだ割安で狙える場所」
…といった視点で土地選びをしていくことが、納得のいく家づくりにつながります。
とくに住宅地に関しては、「利便性」「将来性」「地域の暮らしやすさ」といったバランスを見ながら、焦らず、でも“情報を味方に”早めの行動をとることが重要です。
まとめ:住宅購入を考えるなら「地価動向のチェック」が第一歩
- 2025年の路線価は全国平均+2.7%、都市部中心に価格は上昇基調
- 名古屋市千種区・今池では+14.3%の高騰、今後も周辺エリアで上昇予想
- 岐阜・高山市では+28.3%と観光地特有の動きが
- 三重県もじわじわと回復、エリア選びで“掘り出し物”も期待できる
まずは信頼できる専門家や住宅会社と相談しながら、「今、どの地域にどんな動きがあるのか」を知ることから始めましょう。
土地の相場や将来の資産価値を見極めながら、あなたにとってベストな家づくりを進めてください。
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名古屋駅前の住宅専門ファイナンシャルプランナー
家計とマイホーム相談室 草野芳史
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