住宅ローン フラット35にまだ割安感? 2025年9月の住宅ローン金利最新動向

9月になり、朝晩も少しは涼しくなってきました。が、まだまだ暑さが続きます。今年の夏は物価上昇だけでなく、酷暑でエアコン代がかさんで家計を直撃したという声も多く、住宅ローンの返済やこれからの家づくりの資金計画に不安を抱えている方もいらっしゃるでしょう。そんな中、住宅ローンの金利がどうなっているのか? 2025年9月1日現在の各金融機関の発表をもとに金利動向を解説します。

 


【最新】2025年9月の住宅ローン金利動向


2025年9月は、メガバンクからネット銀行、そして地銀や信用金庫まで幅広い金融機関で金利が引き上げられました。変動金利タイプについては、日銀の政策金利が0.5%で据え置かれているため大きな変化はなく、0.5%台から0.7%台の低水準が維持されています。その一方で、固定金利期間選択型は短期固定から長期の固定まで軒並み利上げとなり、長期金利である日本の10年国債利回りが1.6%前後まで上昇した影響がはっきり表れました。

全期間固定金利タイプのフラット35も小幅ながら利上げとなり、返済期間20年超の場合で1.89%と、前月から0.02%の上昇です。ただし民間金融機関の固定金利タイプに比べれば割安感は大きく、特にフラット35Sや子育てプラスの制度を利用すると、返済当初5年から10年間に最大1.0%の金利引下げを受けられるため、依然として注目度の高い選択肢といえるでしょう。

 


住宅ローン金利が上がる理由は? 政策金利と長期金利に注目


住宅ローンの金利動向を理解するうえで欠かせないのが、政策金利と長期金利の違いです。政策金利は景気や物価の安定のために日銀が設定する短期金利の誘導目標で、今年1月以降は0.5%で据え置かれているため、今月の変動金利タイプの住宅ローンはほとんど動きがありませんでした。しかし長期金利、すなわち日本の10年国債利回りが1.6%前後にまで上昇しており、これが固定金利タイプの住宅ローンの利上げを招いています。

ただ、さらに先を見通すと、2026年初めには政策金利が0.75%へ引き上げられる可能性があると予想されています。その場合、2026年春ごろには変動金利タイプの住宅ローンが1.0%を超えてくる展開も考えられ、今はまだ低水準と言っても良い変動金利タイプの住宅ローンも将来に向けて上昇リスクを抱えていると言えます。

 


ネット銀行と地銀・信金、どっちがトクか?


住宅ローンを選ぶ際に「ネット銀行は安い、地銀や信金は高い」というイメージを持つ方も多いのですが、実際にはもう少し複雑です。ネット銀行は表向きの金利や諸費用は確かに低く見えますが、手数料が高いなど実質的な負担は重くなることもあります。逆に、地銀や信金は表向きの金利が高めに見えても、交渉によって優遇幅を拡大でき、最終的にはネット銀行と遜色ない条件になる場合も少なくありません。単純な表に見える金利比較だけで判断するのではなく、諸費用や保障内容を含めた総合的な視点が必要です。

 


フラット35はまだ有利か? 子育てプラス等でさらに金利引下げ


フラット35は全期間固定金利タイプの住宅ローンの代表格ですが、2025年9月の時点でも民間の固定金利と比べて割安感があります。特に注目すべきは、フラット35Sや子育てプラスといった優遇制度です。これを利用することで、当初5年から10年間は最大1.0%の金利引下げを受けられ、子育て世帯や長期安定志向のご家庭にとっては非常に大きなメリットとなります。

 


これから住宅ローンを借りる人へのアドバイス


これから住宅ローンを組む方にとっては、「目先の返済額を抑える」か「将来の安心を優先する」かが選択の分かれ道です。変動金利を選べば当面の返済は軽くなりますが、2026年以降の上昇リスクを前提に家計に余裕を持たせる必要があります。逆に、将来の安心を重視するなら固定金利タイプも有効で、教育費や老後資金と重なる世帯には安心感につながるでしょう。フラット35の1.9%台の水準も「金利の保険」と捉え、子育てプラスなどの優遇制度を積極的に活用することで利息負担も抑えられます。

 


返済中の人が今やるべきこと


すでに返済をしている方は、金利タイプごとに対応を考えることが大切です。変動金利タイプで借りている方は、低金利の恩恵を受けつつ、将来の上昇に備えて繰上返済や固定金利タイプへの借換えを検討しておくと安心です。固定金利タイプで借りている方は、おそらく現在返済中の住宅ローンより有利な借換えは難しいため、団信や保障内容を見直したり、返済期間を短縮する方向で最適化を進めるのが現実的です。2020年~2022年頃に長期固定金利を借りた方は超低金利の「お宝ローン」の可能性があるので、繰上返済もせず既存の契約を維持すること自体が「得」につながる可能性もあります。

 


まとめ:2025年9月の住宅ローン金利は「変動据え置き・固定利上げ」


今回の住宅ローン金利の動きは、変動金利は据え置きが続く一方で、固定金利は軒並み利上げという構図となっています。これから住宅ローンを組む方は、自分のライフプランに合わせて「目先の安さ」か「長期の安心」かをしっかり選ぶことが欠かせません。すでに返済中の方も、繰上返済や保障の見直しを通じて、金利変動に備えた家計をつくる工夫を進めていきましょう。

 

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