10月に入り、朝晩はすっかり秋らしい涼しさになってきました。そんな中で、マイホーム購入を考えている方にとって気になるのが「住宅ローン金利はどう動くのか」でしょう。実際、ここ数か月はニュースでも日銀の政策金利や長期金利の動向を目にする機会も増え、「変動金利も上がるの?」「固定金利は今後どうなる?」と心配される方も多いと思います。そこで、各金融機関から発表された情報をもとに、10月の住宅ローンの金利動向をご紹介します。
0.5%台の変動金利もじわじわ利上げへ
9月の金融政策決定会合では、日銀の政策金利の利上げは見送られ、通常なら変動金利タイプは据え置かれるのがセオリー。でも、これまで0.5%台という低水準を維持していたみずほ銀行やSBI新生銀行が、10月に久しぶりの利上げに踏み切りました。これは、今後の日銀の政策金利引き上げの観測を背景に、他行とのバランスを取る動きと言えます。
これまで変動金利タイプは「割安感」で人気を集めていましたが、今後は日銀の政策金利次第でさらに利上げが進む可能性も否定できません。特に「年内にも政策金利引き上げ」との憶測も出ていますが、仮にそうなれば 早ければ年明けには変動金利タイプが利上げされるかもしれない という状況です。
固定金利期間選択タイプ・全期間固定金利タイプはじわり上昇
次に、5年・10年といった 固定金利期間選択タイプ や、全期間固定金利タイプです。
長期金利(日本の10年モノ国債の利回り)が1.65%程度まで上昇した影響を受け、10月はおおむね 0.05~0.1%程度の利上げ となりました。
つまり、数年前の超低金利と比べるとじわじわと上がってきている状況。今後も長期金利の動きに左右されやすく、米国の金利政策や国内のインフレ動向によって変化する可能性が高いといえます。
フラット35は据え置きで割安感あり
一方で、全期間固定金利タイプの代表である フラット35 は据え置きです。10月の金利は 1.89%(借入期間21年以上・融資率9割以下の場合)。フラット35S や 子育てプラス を利用すれば、当初5年間は 0.89% と、民間の全期間固定金利(2%台後半~3%程度)と比べて大幅な割安感があります。「長期的な安心感を得たい」という方にとっては、まだまだ魅力的な選択肢といえるでしょう。
今後の住宅ローン金利の見通し
では、これから金利はどう動くのでしょうか。
- 変動金利タイプ:日銀が政策金利を引き上げれば、その2~3か月後に反映される可能性大
- 固定金利期間選択タイプ・全期間固定金利タイプ:長期金利の上昇に合わせてじわじわ上昇傾向
- フラット35:このところ据え置きで推移してきたが、長期金利がさらに上がれば将来的に引き上げの可能性あり
つまり「変動金利は政策金利」「固定金利は長期金利」がカギです。どちらも国内外の経済情勢と強く結びついているため、ニュースをこまめにチェックすることが重要になります。
まとめ:今のうちに自分に合う金利タイプを検討しよう
10月の住宅ローン金利は、
- 0.5%台の変動金利もじわじわ利上げへ
- 固定金利期間選択タイプ・全期間固定金利タイプ:長期金利上昇で0.05~0.1%の利上げ
- フラット35:据え置きで割安感が続く
という動きになりました。今後も政策金利や長期金利次第で動きやすい環境が続きそうです。ですから「まだ低いうちに借りておくべきか」「長期的な安心を重視すべきか」など、自分の家計の体力やライフプランに合わせた選択が必要です。
もし迷うようであれば、一度 専門家にライフプランと金利タイプのシミュレーションをしてもらうこと をおすすめします。早めの準備が、後悔しない住宅ローン選びにつながります。
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名古屋駅前の住宅専門ファイナンシャルプランナー
家計とマイホーム相談室 草野芳史
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