突然ともいえる高市首相による衆議院の解散表明以降、立憲民主党と公明党の中道改革連合への合併など政界は大きく動いています。そしていよいよ、衆議院が本会議冒頭で解散され、総選挙に突入する見通しとなりました。衆議院の「冒頭解散」は2009年以来、約17年ぶりとなります。
この解散・総選挙の動きは、政界だけでなく株価や為替、国債市場など、金融市場全体にも大きく影響を与えています。そこで今回のコラムでは、その中でも住宅ローン金利への影響に絞って解説してみたいと思います。
1.注目は「長期金利の急上昇」
今回の解散・総選挙の動きのなかで、特に顕著に動いているのが長期金利(10年国債利回り)です。1月20日時点の長期金利は、2.370%。これは約27年ぶりの高水準となります。
この背景には、
1)解散・総選挙をにらんだ減税や財政出動への警戒
各党の公約に、消費税の食料品への減税や財政出動に盛り込まれる可能性
2)国債増発懸念
減税+財政出動による財源不足で、国債が増発される可能性が出る
といった流れがあり、特に超長期ゾーンを中心に国債が売られ、利回りが急上昇している構図があります。
2.長期金利が上がると、住宅ローンはどうなる?
この長期金利は、住宅ローン金利のうち、
・10年固定
・全期間固定
・フラット35
に影響を強く与えます。
実際、長期金利が2%台で推移していた2005~2007年頃を振り返ると、当時のフラット35の金利水準は、2%台後半~3%台でした。そして現在、民間金融機関の長期固定金利は、すでに3~4%台に達しています。その一方で、フラット35は、まだ2%台前半に抑えられており、相対的にかなり割安な水準にあります。
3.ただし、フラット35も「安全地帯」ではない
注意したいのは、フラット35も連続的に利上げが続いている点です。2025年12月は1.97%、2026年1月は2.08%へと2014年7月以来の水準にまで上がっています。長期金利が2%台に定着しつつある状況を踏まえると、2月以降もフラット35がさらに利上げされる可能性は高いと考えられます。
そのため、
・変動金利から固定金利へ借り換えを検討している方
・今後フラット35を使う可能性がある方
は、「様子見」よりも「早めの判断」が有利になると言えるでしょう。
4.追い風となる制度改正も
なお、2026年3月からは、フラット35は借り換えでも、「子育てプラス」の金利引き下げが使えるようになります。
・こども1人につき
・当初5年間、年0.25%の金利引き下げ
これは、借り換えを検討している子育て世帯にとって、見逃せない制度変更です。
5.では、変動金利には影響しないのか?
ここで多くの方が気になるのが、「この動きが、変動金利にも波及するのか?」という点でしょう。
住宅ローンの変動金利タイプは、おもに日銀の政策金利の影響を受けます。今回の解散・総選挙の動きとは関係なく、すでに先月(2025年12月)に日銀は政策金利を引き上げており、その影響でこの2~3月には各金融機関の変動金利タイプが1.0%程度へ利上げされる見込みです。
その動きにプラスして今回の解散・総選挙そのものが変動金利に影響を与えるかですが、現時点では直接的に影響を与える材料になるとは考えにくいでしょう。
ただし、
・物価動向
・賃金の伸び
・円安基調
といった環境を踏まえると、年内に政策金利が再度引き上げられるといった見方も出てきています。そうすると、今年後半から来年にかけて、変動金利が1.25%程度まで上がる可能性も考えられます。
まとめ 住宅ローンは「政治イベント」ではなく「家計」で考える
今回の解散・総選挙は、住宅ローン金利を考えるうえでのきっかけにはなりますが、金利の本質は、金融政策・財政・市場構造の積み重ねで決まります。
重要なのは、「上がる・下がるを当てにいくこと」ではなく、
自分の家計と返済計画に合った金利タイプを、どのタイミングで選ぶかです。
政治が動き、市場が動く今だからこそ、一度立ち止まって、住宅ローンの組み方・借り換え方を整理する価値がある局面と言えるでしょう。
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・2025年11月
https://my-home-fp.com/column/20251104/
・2025年10月
https://my-home-fp.com/column/20251001/
・2025年9月
https://my-home-fp.com/column/20250901/
・2025年8月
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