衆議院の解散・総選挙を控え、国内では財政や金融政策を巡る議論が活発化しています。一方、海外では金融市場の変動が続き、為替や債券市場の動きが各国の金利に影響を与える場面も増えています。こうした政治・経済環境のなか、2026年2月の住宅ローン金利が出そろいました。変動金利は一部のネット銀行で利上げが始まり、固定金利タイプやフラット35は、長期金利の急上昇を受けて大幅な利上げが続いています。今回のコラムでは、2月3日現在の住宅ローン金利の動きと、その背景にある金融政策・市場環境を整理します。
2026年2月時点の住宅ローン金利は、「変動は段階的に、固定は市場主導で一気に」動く局面に入っています。特に固定金利タイプは、長期金利(日本の10年国債の利回り)の急騰が、そのまま反映される状況が続いています。それでは、以下、順番に見ていきます。
1.変動金利タイプ|先行するネット銀行から動き始めた
変動金利タイプについては、2025年12月19日に日銀が政策金利を0.75%へ引き上げた影響が、ようやく表面化し始めました。2月3日時点では、
・楽天銀行
・SBI新生銀行
といった一部のネット銀行で、変動金利の引き上げが確認されています。
『変動金利は「一斉に」ではなく「順番に」動く』
変動金利は、
1)日銀の政策金利
2)短期プライムレート
3)各金融機関の住宅ローン金利
という段階を経て反映されるため、全行一斉に上がるわけではありません。
今回も、
👉 まずはネット銀行
👉 来月以降、他行へ広がる
という、これまでと同じパターンになる可能性が高いと見ています。
2.固定金利期間選択タイプ・全期間固定金利タイプ|今月も大幅利上げ
一方、固定金利期間選択タイプと全期間固定金利タイプは、メガバンクから地銀・信金まで、軒並み0.2~0.3%程度の利上げとなりました。
『理由は「長期金利の急上昇」』
その背景にあるのが、長期金利(日本の10年国債の利回り)の2.3%台への急上昇です。ちょうどいま行われている衆議院の解散・総選挙をめぐり、各党の減税や財政出動を含む公約が意識され、市場では財政への不安や国債増発への警戒感が強まっていることも背景にあります。
固定金利タイプは、日銀の政策金利よりも、債券市場(国債利回り)の影響を直接受けるため、
・国債が売られる
・利回りが上がる
・固定金利が上がる
という構図が、非常に分かりやすく金利に表れています。
3.フラット35|2013年以来の水準へ
全期間固定金利タイプの代表格であるフラット35は、
・フラット35(返済期間20年超)
2026年1月:2.08% → 2026年2月:2.26%
・フラット20(返済期間20年以内)
2026年1月:1.71% → 2026年2月:1.91%
・フラット50(返済期間35年超)
2026年1月:2.19% → 2026年2月:2.38%
と、今月も大幅な利上げとなりました。2025年11月から見ると、わずか3か月で0.36%の上昇です。この水準は2013年11月以来となります。
これは、「フラット35だけが特別に上がった」のではなく、長期金利上昇の影響を素直に受けた結果と考えるべきでしょう。
4.金融政策・マーケット環境|金利を押し上げやすい条件がそろっている
日銀の金融政策
直近のコラムでも整理してきた通り、日銀は「急激な利上げ」をする局面ではありません。ただし、
・国債買い入れの段階的な減額
・物価の粘着性
・賃金動向の確認
といった点から、「簡単に利下げできる環境でもない」のが現状です。
為替・株価・債券市場
・為替:円安と円高が交錯しつつも、物価を通じて金融政策に影響
・株価:史上最高値圏で推移
・債券:財政拡張懸念などから売られやすい地合い
と、株と債券で異なる動きが見られます。
住宅ローン金利に直接効いているのは、この中でも 「債券市場」 です。
5.地価・建築費|金利が上がっても「すぐ下がる」わけではない
「金利が上がれば、家の価格は下がるはず」と考える方もいますが、現実はもう少し複雑です。
・地価:全国的には上昇基調が続く
・建築費:材料費だけでなく、人件費・工期の影響が大きい
金利上昇局面でも、住宅価格が一気に下がる環境にはなっていません。たしかに金利が高騰すれば住宅購入意欲も下がり、それが地価や建築費の下落につながる可能性はありますが、その時期はまだしばらく先でしょう。
6. まとめ|いまは「金利を当てに行く」局面ではない
2026年2月の住宅ローン金利は、
・変動金利:一部のネット銀行が先行的に利上げ
・固定金利:債券市場の影響で大きく上昇
と、金利タイプによる動きの違いがはっきりした局面となっています。
そして、12月の日銀の政策金利の引上げを受け、春に向けて、変動金利タイプの利上げがメガバンクから地銀・信金へと、段階的に広がっていく可能性が高いでしょう。
ただし、大切なのは「どこまで上がるか」を当てることではありません。次回以降も、このような金利環境の中で、どのように住宅ローンを考えるべきか家計全体の視点から解説していきたいと思います。
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