いまどきSNSを見ない人というのは少数派でしょう。かくいうわたくし草野もプライベートや仕事でSNSを使っています。仕事で同業のFPのSNSを見ると専門外の知識や多角的な視点を知ることができて、勉強になっています。
ただ、家計や保険、資産運用などの話題では、FPによって見解の相違があり、FP同士で意見のぶつかり合いも起こります。最近目にしたのは「保障と運用」の議論です。「変額保険」vs「掛け捨ての死亡保障+NISA(での運用)」の激論が交わされ、それがエスカレートしてなかば「罵り合い」になっていました。
こうしたやりとりを見たら、FPに対してマイナスな印象を持ってしまう方もいるかもしれません。でも、FPは家計の専門家として役に立つ仕事をしています。国もNISAの制度拡充や金融教育の普及を目指す中、金融や家計について相談したいという人も増えるでしょう。そこで今回は、FPに家計の相談をしたい方に向けて、FPの種類や違いを整理しながら、自分に合ったFPの選び方を分かりやすく解説します。
なお、草野もFPの一人です。できるだけ自分のポジショントークにならないよう、客観的・公平にお伝えしたいと思いますが、念のためご参考として、最後に草野自身の立ち位置にも簡単に触れておきます。
1.結論:FP選びに「正解」はないが、「合う・合わない」はある
まず結論からお伝えすると、FP選びには一つの正解があるわけではありません。
大切なのは
👉 自分の目的(ニーズ)に合っているか
👉 提案の前提や立場が理解・共感できるか
👉 信頼・納得して相談できるか
という点です。
SNSで見かける「保険FPはダメ」「運用FPは偏っている」といった議論は、それぞれの立場の違いを切り取った一面に過ぎないことが多いのです。
それでは、まずFPにはどんな種類があるのかから見ていきます。
2.FPの種類
① 形態の違い(独立系か企業所属か)
■ 独立系FP
・特定の会社に属さない
・自分のやり方・考え方にこだわりを持つ人が多い
・中立性を重視しやすい
・相談料が有料のケースが多い
■ 企業系FP
・保険・証券・不動産会社などに所属している
・相談は無料のことが多い
・自社商品の提案とセットになりやすい
👉どちらが良い・悪いではなく、「ビジネスモデルの違い」と理解するのが重要です。
② 専門分野の違い(特化型か総合型か)
■ 特化型FP
・住宅、保険、投資、相続など特定の分野に特化
・その分野に深い知識・実務経験がある
■ 総合型FP
・家計全体をバランスよく見る
・幅広い相談に対応
👉例えば住宅購入なら、「住宅・ローンに強いFP」の方が実務的には役立つケースが多いでしょう。
③ 資格の違い
■ FP資格
・CFP・AFP(日本FP協会)
・FP技能士(一級・二級・三級。国家資格)
ただし重要なポイントは
👉 FP資格には独占業務がないことです。
つまり、
・資格がなくても「FP」と名乗れる
・逆に資格があっても実務経験が乏しい場合もある
なお、「ファイナンシャルアドバイザー」「ライフプランナー」などと名乗る人がいますが、これは資格ではなく「肩書」です。
■関連資格
・保険(生保・損保)募集人
・証券外務員
・DCプランナー・アドバイザー
・貸金業務取扱主任者
・税理士
・社会保険労務士
・住宅ローンアドバイザー など
👉資格は「最低限の知識の証明」であり、実務力とは別物と考えておくと冷静に判断できます。
👉資格を持っていることで提案の幅が広がります。また、資格を持っていないとアドバイスできない相談内容や分野もあります。
④ 業務内容の違い
・相談・アドバイス業
・講師業
・執筆業・ユーチューバー
・販売業
👉著名なFPでも、相談・アドバイス業を行っていないケースもある。
⑤ 料金体系の違い
■ 無料相談
・収益源 :保険・金融商品・不動産などの販売手数料が中心となるケースが多い
・メリット:気軽に相談できる
・留意点 :提案が自社商品に寄る可能性
相談(セカンドオピニオン)だけだと嫌がられることがある
■ 有料相談
・収益源 :相談料そのもの
・メリット:アドバイスの独立性が高い傾向
・留意点 :費用がかかる
提案だけで終わる(実行支援がない)可能性がある
・料金形態:時間制、定額制、顧問契約
成果連動型(資産額・借入額の〇%など) など
成果連動型は、資産形成や運用分野で見られることが多い
👉ここで重要なのは
「このFPは何で収益を得ているのか」を理解することです。
こういったFPの種類・分類を知ったうえで、次はどのようにFPを探し選ぶのかを見ていきます。
3.FPの選び方
① FPを探すルート・情報源
代表的な探し方や情報源は以下です。
・日本FP協会(CFP検索)
https://www.jafp.or.jp/confer/search/index
国際的なFPの上級資格者の検索が可能
・J-FLEC認定アドバイザーの検索
https://www.j-flec.go.jp/advisors/search/
商品を販売しない相談専門のアドバイザーを検索可能
FP以外のアドバイザーも対象
・インターネット検索
・SNS・口コミ
・セミナー・相談会
・住宅会社や知人の紹介
👉個人的には「2~3人は比較する」ことをおすすめします。
② FP選びの具体的な流れ
1) 情報収集(HP・実績・専門分野を見る)
2) 問合わせ(電話・メールなど。料金・相談内容・進め方を確認)
3) 実際に話す(対面・オンライン)
4) 納得できれば依頼
最近は
👉初回無料相談やお試し相談
も多く、比較しやすくなっています。
4.FPを選ぶときのチェックポイント
① 自分の目的に合っているか
・相談内容・分野
ライフプラン全般、家計改善、保険、投資運用、教育資金、老後資金、
住宅資金、相続、税金 など
・純粋に相談(アドバイスが欲しい)のみなのか、
保険や運用などの商品購入などの実行支援(サポート)まで希望するのか
👉「何を相談したいか」を整理しておくことが第一歩です。
② 提案の前提や姿勢が理解・共感できるか
例えば
・リスクを取る前提の人
・安定重視の人
同じFPでも考え方が違います。
👉「なぜその提案なのか」を説明できるかが重要です。
③ 実務経験・相談実績
・経歴
・相談件数
・実務経験年数
・具体的な相談事例
・相談方法(オンラインか対面か。対応可能エリアも)
👉資格よりもこちらの方が実務では重要です。
④ 相性(意外と重要)
・話しやすいか
・説明が分かりやすいか
・押しつけがないか
・年齢・性別など、自分にとって話しやすいかどうか
👉最終的にはここが一番大きいです。
⑤ SNSのFP情報をどう見るべきか
最近特に感じるのはここです。
SNSでは
・極端な主張
・ポジショントーク
・分かりやすさ重視の単純化
が目立ちます。
例えば
・「保険は不要」
・「投資が正解」
・「変動金利一択」
👉こうした情報はインパクトが強く分かりやすいですが、
“特定の前提では正しい”ものの、万人には当てはまるとは限らない
というケースがほとんどです。
⑥ 具体例:FP選びで失敗しやすいケース
例えば住宅購入の相談で
・住宅ローンの知識が浅いFPに相談
→金利や制度の理解が不十分
→結果として不適切なローン選択に
逆に
・住宅専門FPに相談
→金利の高低だけでなく手数料、団信などよりよい条件を提示
→資金計画・返済リスクまで含めて判断
→家計全体で大きなコスト差が出る可能性も
👉同じFPでも「専門性」で結果が変わる典型例です。
5.まとめ:FPの見極めは「良い・悪い」ではなく「合うか・合わないか」
FP選びで大切なのは
・正解を探すことではなく
・自分に合う考え方・立場の人を見つけること
です。「FP選び」とは、専門家を選ぶことではなく、自分の判断をサポートしてくれる「信頼・共感できるパートナー」を見つけること、と言えるでしょう。
そしてもう一つ。
👉一人のFPの意見を“絶対視しない”こと
セカンドオピニオンを取ることで、判断の精度は確実に上がります。
補足:筆者(草野)のFPとしての立ち位置
・専門分野 ライフプランと住宅取得・住宅ローン
・形態 独立系FP
・業務内容 相談、講演、執筆
・相談方法 名古屋の事務所での対面とオンライン(全国対応)
・相談料 有料。金融商品や住宅・不動産などの販売は行わない。
(販売しているのは自分の著書のみ)
また、事業者(保険会社や住宅会社)を紹介した場合も、
原則として紹介料は受け取らない
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