住宅ローン ソニー銀行が住宅ローンの変動金利を0.2%利上げ

7月22日、ネットバンクのソニー銀行は、8月の住宅ローンの金利を発表しました(ちなみに、ソニー銀行は、翌月の金利を前の月に発表します)。そのうち変動金利タイプは、前月から+0.2%利上げすることになりました。具体的には、基準金利が1.807%から2.007%に上がり、実際に貸し出しする金利である適用金利は、変動セレクト住宅ローンが0.397%から0.597%となります。

 

 

これまでネット銀行では変動金利タイプの金利競争が激化しており、以前紹介した通り0.2%を切るようなキャンペーン商品もあり、ソニー銀行でも借り換えに限定されますが0.297%という時期もありました。これが3月のマイナス金利解除などの日銀の金融政策の変更以降、ネット銀行の変動金利タイプに利上げの動きが出始めました。今回のソニー銀行の利上げもそういった流れの一環と言えますが、ネット銀行での住宅ローン取り扱い2位のソニー銀行が0.2%と大幅に利上げ、それも利上げは2010年10月以来の14年ぶりですから、かなりのインパクトがあります。

 

そして、今回のソニー銀行の動きで特筆すべきは、下図1のように基準金利も適用金利も両方とも0.2%利上げするという点です。

 

図1

 

これまで変動金利タイプの利上げでは、下図2のように基準金利は上げたものの、そこからの引き下げ幅も拡大して適用金利は据え置きにしているケースもありました。そうすると、すでに住宅ローンを返済中の人には影響がありますが、これから新規で住宅ローンを借りる人には影響が出ません。それが、上記図1のように基準金利と適用金利の両方とも0.2%利上げということは、すでに住宅ローンを返済中の人もこれから住宅ローンを借りる人も、両方とも利上げの影響を受けます。

 

図2

 

さらに、ソニー銀行ならではの注意点があります。一般的な他行にて変動金利タイプで借りる場合は、このように金利が上がった場合「5年ルール」といって金利が上がっても5年間は返済額を上げないという調整をするのですが(金利が上がって利息が増えた分、返済する額のうち元本に充当する分が減ります)、ソニー銀行ではこの5年ルールを行っていません。そのためソニー銀行で現在変動金利タイプの住宅ローンを返済中の方は、次回の金利改定の11月1日時点で金利が下がっていなければ、毎月の返済額が上がるという直接的な影響が出ることになります。これはちょっとしたニュースになりそうです。(余談ですが、5年ルールのある銀行であれば、変動金利が上がってもすぐに毎月の返済額が上がる人はそれほど多くないので、直接的な影響はそれほど多くないかもしれません)

 

なお、日銀はマイナス金利を解除後も徐々に金利を引き上げる方向なので、今後も住宅ローンの変動金利が上がる可能性はあります。ただ、短期間での急激な利上げは経済へ悪影響を及ぼすため、当面は利下げ競争で加熱したネット銀行の変動金利のキャンペーンが縮小する程度でしょう。とはいえ数年かけて利上げする可能性は十分ありますので、いま変動金利で住宅ローンを返済中のかたや、これから住宅ローンを借りる予定の方は、利上げの可能性があるという点も踏まえて住宅ローンの金利タイプを選ぶようにして下さい。

 

 

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