新型コロナウイルスの緊急事態宣言が国から発令されて1週間が経過しました。この間、4月11日には1日の新規感染者が700名を越したものの、12日は499名、13日は291名、そして本日は少し増えましたが474名程度と、緊急事態宣言の効果か新規感染者数も減少傾向と、明るい兆しが出ているようにも見えます。ただ、ここで気を緩めると、コロナウイルスの第二波、第三波に足元をすくわれる可能性もありますし、仮に感染拡大が収束したとしても、いまの経済の混乱はすぐには納まらないでしょう。
こんな状況ですので、旅館の経営破綻はじめ、飲食店などの経営の厳しさが日ごとに増しています。外出自粛でお客さんが来ないのですから、家賃や光熱費といった建物の維持費や人件費といった固定費の負担も相当なものでしょう。欧米などの諸外国では、事業者だけでなく個人に対しても家賃の支払い猶予や家主への補助などが行われていますが、日本では休業要請同様、ここでも家主への「協力要請」にとどまっています。
そんな中、福岡市では本日、福岡県の休業要請を受けて、休業した事業者への家賃の8割を市が負担するなどの支援策を発表しました。英断ですね\(^o^)/ ただ、こういった公的補助が全国的に広がるかは未知数で、少なくとも国は否定的なスタンスですから、あまり期待も出来ません。そうはいっても、家主側からしても入居者が倒産して退去されてしまったら、その分の家賃収入がなくなるわけですから、「ゼロになるよりはマシ」と家賃の減額交渉にのってくれる可能性もあります。国も「協力要請」を出しているのですから、家賃負担が厳しければ、事業者であろうと個人であろうと、大家さんと相談してみたほうが良いでしょう。
これは、賃貸だけでなく、持ち家でも同様です。収入が下がって返済中の住宅ローンの返済が厳しくなった時、ギリギリまで頑張ってそれでも力尽きてしまう前に、銀行に相談しましょう。これはコロナ禍に限らず、平時の時も同様なのですが、銀行としても住宅ローンを滞納されたり自己破産されるよりは、多少毎月の返済額が下がる方がマシと考えてくれる可能性が少なからずあります。
ただ、こういった相談はギリギリ耐えきれず、延滞しだしてから銀行に行っても手遅れのことがあります。返済条件変更の交渉に乗ってくれるのは、あくまでそれまで住宅ローンの返済をキッチリ毎月行ってきたことが前提だからです。延滞など、約束を守れない人とはいくら約束してもまた破られる可能性があると銀行は考えます。特にいまは第二次世界大戦以来の危機的状況と言われていますから、より交渉はしやすくなります。
例えば、フラット35の住宅金融支援機構も、「新型コロナウイルス感染症の影響により機構の住宅ローンのご返済にお困りの方へのお知らせ」として、住宅ローンの返済などが厳しい人向けに案内をしています。その中には、返済条件変更の例として
1)返済期間の延長などの「返済特例」
2)一定期間、返済額を軽減する「中ゆとり」
3)ボーナス返済の見直し
といったメニューを用意しています(残念ながら、ローン残高自体を減額するというメニューはありません)。
これらの返済特例を受けるための条件は、
1)経済事情や病気等の事情により返済が困難となっている
2)一定の収入基準を満たす
(月収が世帯人数×64,000円以下 等)
3)返済方法の変更より、今後の返済を継続できる
の3つ全てに当てはまることです。
手続きは、窓口となっている金融機関か住宅金融支援機構宛に申請を行い、審査に通れば住宅ローンの返済に関する変更契約を締結することになります(詳しくはコチラをご覧ください)。
上記の例は、フラット35の場合ですが、民間金融機関の住宅ローンでも同様の相談に乗ってくれるはずです。繰り返しですが、こういった条件変更に応じてくれるのは、あくまでそれまでちゃんと住宅ローンを返済してきたことが前提となります。住宅ローンの返済が厳しいと思ったら、手遅れになる前に銀行に相談してみて下さい。
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名古屋駅前の住宅専門ファイナンシャルプランナー
家計とマイホーム相談室 草野芳史
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